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第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。
88.『秘書が、秘書が勝手に』案件?
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マーゴットは、ナユカに質問した。
「気負わず、答えなさい。」
「貴女は、自分の仕事の全体量を把握していて、自身でスケジュールを調整している?それとも、渡された仕事を終わらせていくことが多い?」
「渡された仕事を終わらせていくわ。終わらないけれど。」
とナユカ。
終わらない量をナユカに渡している可能性もある。
詳しく掘り下げるか。
「仕事は、決裁?それとも、提案?もしくは、渡された仕事の事務処理?」
「決裁は、私にはまだ早いから。提案は、したことがないわ。社交もしていないから、知り合いもろくにいない私は、裏方に徹するしかないの。」
とナユカ。
伯爵の嫡女が、事務処理担当?
伯爵家の事務処理を12歳のナユカが1人で片付けていたら、そりゃ終わらないだろう。
そもそも、伯爵家の嫡女の仕事か?
事務処理なら、文官に回しても問題ない。
事務処理を通して、色々な仕事を学ぶという目的なら、毎日部屋に引き込もってやらないと終わらない量の事務処理を片付ける必要はない。
伯爵家の嫡女に求められているのは、事務処理能力の早さで間違いないのか?
ジョンストン伯爵家の嫡女ナユカに、仕事を割り振っている人間は、誰?
マーゴットは、思考しながら、次の質問を繰り出す。
「ジョンストン伯爵家の社交は、誰がしているの?」
「分からない。気にする余裕がなかったわ。」
とナユカ。
「伯爵夫人の仕事の調整は誰がしていた?」
ここからが、本命だ。
「秘書よ。今は私の秘書でもある。呼ぶ?」
無邪気に、秘書に呼びかけようとするナユカ。
マーゴットは、舌打ちしたい気持ちになる。
ナユカは、生育環境のせいか、他人の胸中を慮ることが出来ないようだ。
マーゴットの様子を見て、秘書を呼ぼうと言い出すとは。
言葉で。
明確に意思表示しないと伝わらないタイプ。
何のために、誰のために、結界の中で話をしているのか。
ナユカの情操教育は、ナユカの周りの大人がする仕事だ。
マーゴットは、情報を引き出すのみ。
「呼ばない。気をそらさないで、わたしを見て話しなさい。伯爵夫人の仕事以外のスケジュール管理は、誰がしていた?」
「母の侍女が。」
とナユカ。
「その侍女は、伯爵夫人の療養先に同行した?」
「ええ。」
とナユカ。
伯爵夫人の侍女は、伯爵夫人の信用を得ていたか。
もしくは、何も起こさないようにするための監視役か。
「伯爵夫人の側にいて、伯爵夫人を助けたり日常の世話をしていたのは?」
「母の侍女よ。」
とナユカ。
「伯爵夫人が仕事するときに、いつも、伯爵夫人の側にいたのは?」
「秘書よ。この部屋にいる。本当に呼ばなくていいの?」
とナユカ。
「呼びたくなったら、言うわ。言わない間は、呼ばない。」
マーゴットは、分かりやすく伝えてみた。
「秘書は、どういった関係で、貴女と伯爵夫人の秘書をすることになったの?」
「分からない。知らないわ。秘書は、最初から、秘書だったから。」
ナユカは、困惑して、動作が落ち着かなくなった。
ナユカの侍女が、口を挟んできた。
「秘書は、ナユカ様の実のお父様が、お母様とご結婚される前は、お父様と結婚されるものと周囲に思われていた方です。」
「婚約者か、元婚約者か、婚約はしていないけれど、結婚してもおかしくない、と周りは見ていた?本人達も?」
「ナユカ様の実のお父様の真意は、わかりかねますが、秘書は、乗り気で、他にあった縁談は断っていたと聞いたことが。」
とナユカの侍女。
「ご結婚は?」
「されていません。」
と侍女。
「どういった経緯で、秘書に?」
結婚して、働きに出てきたわけではない?
ナユカの母親世代でもおかしくないから、秘書の子どもが、ナユカの乳兄弟か?とマーゴットは考えてみたりもしたのだが。
「ナユカ様の実のお父様の秘書をされていまして、お父様が亡くなられてから、ナユカ様のお母様が、伯爵代行をすることになり、お父様の秘書が、お母様につくことになりました。」
とナユカの侍女。
「推薦?」
「秘書のお家からも、そうするように、と。」
とナユカの侍女。
「権力のある家の出?」
「いえ。秘書は子爵家の出です。秘書の祖父が有力な侯爵家の方で。子爵家の使者が侯爵家の紋章を見せて話をしてきた、と聞いています。ナユカ様のお母様は、子爵家の出ですが、舅にあたるナユカ様のお祖父様に気にいられていらっしゃっいました。実の娘にしたいから、後継ぎの嫁にすると宣言されまして、結婚相手に名乗りを上げたのが、ナユカ様の実のお父様です。」
とナユカの侍女。
「秘書は、伯爵家で愛人希望だった?」
「愛人。それは、分かりません。」
とナユカの侍女。
「仕事を長引かせて、いつまでも終わらせないようにしていたりは?」
「しょっちゅうでした。」
とナユカの侍女。
「気負わず、答えなさい。」
「貴女は、自分の仕事の全体量を把握していて、自身でスケジュールを調整している?それとも、渡された仕事を終わらせていくことが多い?」
「渡された仕事を終わらせていくわ。終わらないけれど。」
とナユカ。
終わらない量をナユカに渡している可能性もある。
詳しく掘り下げるか。
「仕事は、決裁?それとも、提案?もしくは、渡された仕事の事務処理?」
「決裁は、私にはまだ早いから。提案は、したことがないわ。社交もしていないから、知り合いもろくにいない私は、裏方に徹するしかないの。」
とナユカ。
伯爵の嫡女が、事務処理担当?
伯爵家の事務処理を12歳のナユカが1人で片付けていたら、そりゃ終わらないだろう。
そもそも、伯爵家の嫡女の仕事か?
事務処理なら、文官に回しても問題ない。
事務処理を通して、色々な仕事を学ぶという目的なら、毎日部屋に引き込もってやらないと終わらない量の事務処理を片付ける必要はない。
伯爵家の嫡女に求められているのは、事務処理能力の早さで間違いないのか?
ジョンストン伯爵家の嫡女ナユカに、仕事を割り振っている人間は、誰?
マーゴットは、思考しながら、次の質問を繰り出す。
「ジョンストン伯爵家の社交は、誰がしているの?」
「分からない。気にする余裕がなかったわ。」
とナユカ。
「伯爵夫人の仕事の調整は誰がしていた?」
ここからが、本命だ。
「秘書よ。今は私の秘書でもある。呼ぶ?」
無邪気に、秘書に呼びかけようとするナユカ。
マーゴットは、舌打ちしたい気持ちになる。
ナユカは、生育環境のせいか、他人の胸中を慮ることが出来ないようだ。
マーゴットの様子を見て、秘書を呼ぼうと言い出すとは。
言葉で。
明確に意思表示しないと伝わらないタイプ。
何のために、誰のために、結界の中で話をしているのか。
ナユカの情操教育は、ナユカの周りの大人がする仕事だ。
マーゴットは、情報を引き出すのみ。
「呼ばない。気をそらさないで、わたしを見て話しなさい。伯爵夫人の仕事以外のスケジュール管理は、誰がしていた?」
「母の侍女が。」
とナユカ。
「その侍女は、伯爵夫人の療養先に同行した?」
「ええ。」
とナユカ。
伯爵夫人の侍女は、伯爵夫人の信用を得ていたか。
もしくは、何も起こさないようにするための監視役か。
「伯爵夫人の側にいて、伯爵夫人を助けたり日常の世話をしていたのは?」
「母の侍女よ。」
とナユカ。
「伯爵夫人が仕事するときに、いつも、伯爵夫人の側にいたのは?」
「秘書よ。この部屋にいる。本当に呼ばなくていいの?」
とナユカ。
「呼びたくなったら、言うわ。言わない間は、呼ばない。」
マーゴットは、分かりやすく伝えてみた。
「秘書は、どういった関係で、貴女と伯爵夫人の秘書をすることになったの?」
「分からない。知らないわ。秘書は、最初から、秘書だったから。」
ナユカは、困惑して、動作が落ち着かなくなった。
ナユカの侍女が、口を挟んできた。
「秘書は、ナユカ様の実のお父様が、お母様とご結婚される前は、お父様と結婚されるものと周囲に思われていた方です。」
「婚約者か、元婚約者か、婚約はしていないけれど、結婚してもおかしくない、と周りは見ていた?本人達も?」
「ナユカ様の実のお父様の真意は、わかりかねますが、秘書は、乗り気で、他にあった縁談は断っていたと聞いたことが。」
とナユカの侍女。
「ご結婚は?」
「されていません。」
と侍女。
「どういった経緯で、秘書に?」
結婚して、働きに出てきたわけではない?
ナユカの母親世代でもおかしくないから、秘書の子どもが、ナユカの乳兄弟か?とマーゴットは考えてみたりもしたのだが。
「ナユカ様の実のお父様の秘書をされていまして、お父様が亡くなられてから、ナユカ様のお母様が、伯爵代行をすることになり、お父様の秘書が、お母様につくことになりました。」
とナユカの侍女。
「推薦?」
「秘書のお家からも、そうするように、と。」
とナユカの侍女。
「権力のある家の出?」
「いえ。秘書は子爵家の出です。秘書の祖父が有力な侯爵家の方で。子爵家の使者が侯爵家の紋章を見せて話をしてきた、と聞いています。ナユカ様のお母様は、子爵家の出ですが、舅にあたるナユカ様のお祖父様に気にいられていらっしゃっいました。実の娘にしたいから、後継ぎの嫁にすると宣言されまして、結婚相手に名乗りを上げたのが、ナユカ様の実のお父様です。」
とナユカの侍女。
「秘書は、伯爵家で愛人希望だった?」
「愛人。それは、分かりません。」
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とナユカの侍女。
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