子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第4章 学生色々。学校でのトラブルって、避けられるものと、避けられないものがあるんだよね。

83.ジョンストン伯爵家の養女ハーメリー・ジョンストンがしたこと。ジョンストン伯爵の嫡女ナユカ・ジョンストンがしなかったこと。

わたしが、互いの話の部分を拒否するなど、想定していなかったらしいナユカの侍女は、一瞬動きを止めた。

ナユカは、しないといけない仕事があるけど、時間を作った、という恩着せがましい態度を崩さない。

そもそも、伯爵家の嫡女として、ハーメリー・ジョンストンに首をつけて、紐を持っていたら、わたし達はわざわざ出向かなくても済んだ。

ナユカを理解するために、わざわざわたし達の時間を使うことはしない。

「わたし達が、コーハ王国の貴族として対面している理由が分からないから、知りたい、という認識でいいわね？長くなるから、最後まで、聞きなさい。」

ナユカと侍女に確認したわたしは、まず、今日のハーメリー・ジョンストンの突撃の件を時系列に話した。

次に。
ナユカ・ジョンストンが自身の安全対策だけをして、ハーメリー・ジョンストンだけでなく、他の人にも、ナユカ・ジョンストンと交流している存在として知られていたバネッサ・オッドアに、ハーメリー・ジョンストンによる被害がおよばないようにする対策をナユカ・ジョンストンは講じなかったと話す。

「コーハ王国の貴族として、ハーメリー・ジョンストンがしたことと、ナユカ・ジョンストンがしなかったことに対し、ジョンストン伯爵家に抗議し、ジョンストン伯爵家としての謝罪とジョンストン伯爵家による今後の対策と、その履行の約束の回答を得る。
これが、わたし達、コーハ王国の貴族が、先触れを出して面会を求めた理由。」

わたしは、はっきりと伝える。
何度も繰り返している台詞でありながら、ナユカ・ジョンストンに全く届かない台詞をまた繰り返す。
「わたし達は、コーハ王国の貴族として、ジョンストン伯爵家との会談に臨んでいる。」

「ジョンストン伯爵家としての回答以外は、不要。」

わたし達は、ナユカ・ジョンストンと馴れ合いにきたわけではない。