子爵令嬢マーゴットは学園で無双する〜喋るミノカサゴ、最強商人の男爵令嬢キャスリーヌ、時々神様とお兄様も一緒

第3章 学生の数だけ、物語がある。物語には創り手と演じ手がいるわけで。主役と脇役が交差したりもするよね。

52.転生貴族子弟が1人。スラッルス・トークン。

魔法がある転生したら、魔法を使いたくなるじゃん。
魔法の可能性を追求したいじゃん？

オレがニンデリー王立学園への入学を決めたのは、研究に対して実力主義を貫く校風だから。

外国人のオレは、ニンデリー王立学園への入学にあたり、ニンデリー王国へ誓約をしている。

ニンデリー王立学園での研究成果はニンデリー王立学園に帰す。
ニンデリー王立学園での研究成果をニンデリー王国の外に出す場合は、ニンデリー王国が仲介もしくは、許可したものに限る。
ニンデリー王国の許可なく研究成果を持ち出した場合は、最低でも、損害賠償を請求され、窃盗の罪に問われて犯罪者になる。

オレは、卒業しても、ニンデリー王立学園に残って研究したいと考えていたから、誓約の内容は、気にしていなかった。

期待に胸を膨らませて、国を出て、ニンデリー王立学園へ来てみたならば。

めちゃんこ、荒れていた。

不良が、ボコったガラスが割れまくっている、とかじゃなく。

第1王子派と第2王子派で、学生が割れていて、第2王子派が、王子の権力をカサに来て好き勝手しているのを、第1王子派が忌々しく見ている構図。

第1王子派で、第2王子派を咎めたり、第2王子に意見した先生や学生が何人も辞めさせられたから、第1王子派は沈黙しているらしいよ。

残っている先生は、どちらにも肩入れしない中立派の割合が多い。
名の知れた先生は中立派。

やべー学校に入ってしまったとしか、いいようがない。
入ってしまったからには、卒業まで頑張るけどさ。
卒業後、どうしようかなー。

会いたい人にも、会えていないんだよなー。

ニンデリー王立学園の学生になったら、会えるとふんでいたのにさー。

入学前からの予定が、狂うなあ。