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第2章 学園生活開始。担任の先生は、どこの回し者ですか?

40.階級社会なのに、平民の増長と勘違いが爆誕したのは、理由があります。

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知っている人は、知っている話なので、聞き覚えがあったら、すみませんと断ってから、クロッグ・カーブは話し始めた。

「ニンデリー王国の第1王子とその側近は、全員、小さいうちから、高位貴族の婚約者がいます。」

「珍しくない話。」
とキャスリーヌ。

「はい。貴族では、子どものうちからの婚約くらい、ありますよね。」
とクロッグ・カーブ。
「ニンデリー王国の第2王子に婚約者はいません。第2王子には、好きになった人と恋愛結婚して欲しいと、ご両親が婚約者を決めなかったんです。」

「それで?」
とキャスリーヌが続きを促す。

「第1王子とその側近が、各々の婚約者と仲良くしている姿を学園で見た第2王子は、婚約者が欲しくなりました。」

「第2王子は、好きな人と恋愛結婚をするようにとご両親に言われて、ご両親から婚約者を紹介してもらえませんでした。」

「学校で、女子生徒と仲良くなろうと張り切りすぎた第2王子は、女子生徒から遠巻きにされていしまいます。」

がっついて、めぼしいご令嬢に逃げられた?

「女子生徒と仲良くなれないまま、終わりそうだった第2王子の学生生活に転機が訪れました。」

「下位貴族のご令嬢と仲良くなったのです。」

「第2王子は気づきました。高位貴族のご令嬢ではなく、下位貴族のご令嬢となら仲良くなれそうだと。」

「第2王子は、下位貴族のご令嬢と次々に仲良くなっていきました。」

「下位貴族のご令嬢に囲まれて、第2王子は幸せでした。」

囲まれて?
1人じゃないのか。
ハーレムを作ったのか。
学園内で。
キャスリーヌは、声に出さず、表情も動かさずに、ツッコミを入れた。

「でも、ある日、第2王子は、知ってしまったのです。」

「第1王子とその側近の婚約者である高位貴族のご令嬢。
第2王子の周りに集まった下位貴族のご令嬢。両者には埋められない差があることを。」

そら、そうだ、とマーゴット、キャスリーヌ、バネッサは聞き流しているが、クラスメイトは、興味津々。

「第2王子は、婚約者にするなら、高位貴族のご令嬢がいいと考えるようになりました。」

相手にされていないのに、嫁に欲しいと主張できるメンタルの強さ。
第2王子は、自己評価が高いのか。
ただ、無謀なのか。
キャスリーヌの心の中は、ツッコミが飛び交っている。

「しかし、既に、適齢期の高位貴族のご令嬢の多くは婚約済み。婚約していないご令嬢もその家も、第2王子との婚約には頷いてくれません。」

相手にしてくれる女の子でハーレム作っておきながら、他所で嫁探しするような不誠実な男じゃねえ。

親しみやすい女の子は、暇つぶしと、自尊心を保つための、遊び用。
結婚の本命は、相手にしてくれないけれど、いいところのお嬢様。

そんなことほざく男がいたら、何様か?と聞くよね。

あ。王子様だったわ。

キャスリーヌの心の中のツッコミは、止まらない。

「第2王子は、第1王子に向かって、側近や婚約者がいる前で、先に生まれたからって、何もかも独り占めをしてズルい。高位貴族の婚約者が欲しいから、婚約者を1人譲れ、と要求しました。」

ズルいって、自己中心的に振る舞わないと、言えないよね。
同じ学年にいなくて、良かった。
目の前に第2王子がいたら、うっかり王子の足を踏んでいるかもしれない、とキャスリーヌは思う。

「第1王子と側近は全員が拒否し、第2王子に謝罪と反省を求めましたが、第2王子は無視しました。」

非常識な上に、鋼メンタルの王子。
近寄らないようにしようと、キャスリーヌは決心する。

「第2王子が、高位貴族の婚約者を望んでいる話は下位貴族にも伝わりました。」

学園内でも、社交界でも、仕出かしていたら、伝達は早いよね。

「この一件で。第2王子と仲良くしていた下位貴族のご令嬢は、第2王子から距離をとりました。下位貴族のご令嬢の新常識は、第2王子は遊ぶ女は下位貴族、結婚相手は高位貴族から探している、です。」

「高位貴族のご令嬢には相手にされず。
下位貴族のご令嬢には警戒され。
第2王子が活路を見出した相手が、平民クラスの女子生徒でした。」

活路を見出す?

女の子に囲まれていないと息が止まる勢いだよね。
キャスリーヌのツッコミは続く。

「現在、第2王子の周囲にいる女子生徒は、平民クラスに在籍しています。女子生徒に影響され、男子生徒も女子と似た動きをしています。」

第2王子に侍っている女の子の周りに、更に男が集まっている構図。

観光の目玉にしたら、見物料とれるんじゃない?
キャスリーヌのツッコミは一先ず、休憩時間に入った。
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