28 / 776
第1章 12歳。ニンデリー王国にあるニンデリー王立学園へ行こう。大人の思惑通りに動かないのは、少女の特権。
28.ニンデリー王国に派遣されていた担当者が、帰国したよ。ニンデリー王国の王族の内情をお土産に。
しおりを挟む
ハーマルが頭を撫でられ終わった頃。
ニンデリー王国に派遣されていた担当者が、一区切りつけて帰国した。
「またニンデリーに行かなくちゃならんのだけどさー。」
と担当者。
「わりと、シャレにならない取引があったっぽいから、コーハ王国の窓口だったアレックス・オッドアに、直接話を聞きたいんだよねー。時間あるかなー。」
「タイミングばっちり。アレックス・オッドアなら、午後一番に、召喚状持って来るぞ。オッドア伯爵と一緒に。」
と先輩。
「召喚状?何かやった後?」
と担当者。
「同じ案件だよ、安心だろ。アレックスの父のオッドア伯爵がさ、ハーマルが当事者の少女の兄と気づかないで、少女を悪者扱いしてな。
アレックスをニンデリーに派遣する代わりに、少女と少女の家に対する条件を並べたてた。
アレックスを召喚状で召喚するとハーマルが決めると、ハーマルが若造だから、と職員の交代を要求してきた。
その要求は、ハーマルが、はねつけてある。」
「ヤバすぎない?父子揃って。ハーマル、その親子と会うとき、俺も、同席していいよね?上の人も呼ぼう。」
「ニンデリーで、どんなネタ掴んできたんだよ。」
「てんこ盛り。まず、妹ちゃんの件だけど、ハーマル先に聞きたいよな?」
「教えてください。」
「寮の妹ちゃんの部屋とベイモン男爵令嬢の部屋は、部屋が整い次第、入学前に予定していた特選ルームへ。部屋の調整が終わるまでの期間のホテル費用は、全額ニンデリー持ち。」
「学校のクラスは、貴族に絡まれないように、コーハ王国の3人は平民クラス。」
「授業をはじめとする学校生活全般に差し障りがないようにしていただければ、十分です。」
とハーマル。
「他の貴族のご子息やご令嬢は、平民クラスにいないのか?」
と先輩が、ハーマルの代わりに聞いてくれる。
「今回しでかしたのは第1王子派閥だけど、第2王子派閥も控え目に言って、近づいたらダメなんだよねー。」
と担当者。
「ヤバいのしか、いないのか?」
と先輩。
「第2王子も第2王女も、生母の側妃様も王族としての教育を受けていないんだよねー。」
と担当者。
「「「そんなことが?」」」
「濁されたけど、国王陛下の私的な家族かな。公的な場での活躍は求められていないし、出てこない。」
「国王陛下の私生活の充実のために、愛人とその子どもの存在を国が認めた、という立ち位置。」
「ダークな内情を聞いてきたな?」
と先輩。
「ニンデリーの今代の国王陛下は、学園で出会った男爵令嬢と恋に落ちたんだとさ。
婚約者の令嬢と結婚して、王女、王子が1人ずつ生まれた後、男爵令嬢を側妃に迎え、第2王子と第2王女が誕生。」
と担当者。
「今から、泥沼化した話を聞くわけだな、俺ら。」
と先輩。
「愛人と愛人の子どもが、正妃と正妃の子どもより弁えないと、後継者争いが起きるから、そうならないように、事前に手を打っておいたそうだ。国の重鎮達が。」
と担当者。
狭い世界で生きているうちは問題など起こりようもなかった。
「第2王子は学園に通い始めて、第1王子と自身の違いを知り、王子らしさを示すのに躍起になったことが、ことの発端。」
「教育に失敗したのか?」
教育にも誘導にも失敗したわけだ。
「兄よりもできる、兄よりもすごい、という評判が欲しい第2王子は、王立学園に王族としての権限を行使するようになった。」
普通は、戦時中などの非常事態にしか、やらないものらしい。
「今現在、学園は第2王子の意向を無視できない。ニンデリーの国王陛下は、今まで、第2王子を止めていない。」
容認?
放任?
「今回、第2王子と同母の第2王女が入学するにあたり、トラブルメーカーが増える予想が出ている。」
「第2王女は、実際のところどうなんだ?」
「国王陛下から可愛がられて、愛されて生きてきたから愛に飢えてはいないけれど、躾には不安が残る。」
「あかんやつ!」
ニンデリー王国に派遣されていた担当者が、一区切りつけて帰国した。
「またニンデリーに行かなくちゃならんのだけどさー。」
と担当者。
「わりと、シャレにならない取引があったっぽいから、コーハ王国の窓口だったアレックス・オッドアに、直接話を聞きたいんだよねー。時間あるかなー。」
「タイミングばっちり。アレックス・オッドアなら、午後一番に、召喚状持って来るぞ。オッドア伯爵と一緒に。」
と先輩。
「召喚状?何かやった後?」
と担当者。
「同じ案件だよ、安心だろ。アレックスの父のオッドア伯爵がさ、ハーマルが当事者の少女の兄と気づかないで、少女を悪者扱いしてな。
アレックスをニンデリーに派遣する代わりに、少女と少女の家に対する条件を並べたてた。
アレックスを召喚状で召喚するとハーマルが決めると、ハーマルが若造だから、と職員の交代を要求してきた。
その要求は、ハーマルが、はねつけてある。」
「ヤバすぎない?父子揃って。ハーマル、その親子と会うとき、俺も、同席していいよね?上の人も呼ぼう。」
「ニンデリーで、どんなネタ掴んできたんだよ。」
「てんこ盛り。まず、妹ちゃんの件だけど、ハーマル先に聞きたいよな?」
「教えてください。」
「寮の妹ちゃんの部屋とベイモン男爵令嬢の部屋は、部屋が整い次第、入学前に予定していた特選ルームへ。部屋の調整が終わるまでの期間のホテル費用は、全額ニンデリー持ち。」
「学校のクラスは、貴族に絡まれないように、コーハ王国の3人は平民クラス。」
「授業をはじめとする学校生活全般に差し障りがないようにしていただければ、十分です。」
とハーマル。
「他の貴族のご子息やご令嬢は、平民クラスにいないのか?」
と先輩が、ハーマルの代わりに聞いてくれる。
「今回しでかしたのは第1王子派閥だけど、第2王子派閥も控え目に言って、近づいたらダメなんだよねー。」
と担当者。
「ヤバいのしか、いないのか?」
と先輩。
「第2王子も第2王女も、生母の側妃様も王族としての教育を受けていないんだよねー。」
と担当者。
「「「そんなことが?」」」
「濁されたけど、国王陛下の私的な家族かな。公的な場での活躍は求められていないし、出てこない。」
「国王陛下の私生活の充実のために、愛人とその子どもの存在を国が認めた、という立ち位置。」
「ダークな内情を聞いてきたな?」
と先輩。
「ニンデリーの今代の国王陛下は、学園で出会った男爵令嬢と恋に落ちたんだとさ。
婚約者の令嬢と結婚して、王女、王子が1人ずつ生まれた後、男爵令嬢を側妃に迎え、第2王子と第2王女が誕生。」
と担当者。
「今から、泥沼化した話を聞くわけだな、俺ら。」
と先輩。
「愛人と愛人の子どもが、正妃と正妃の子どもより弁えないと、後継者争いが起きるから、そうならないように、事前に手を打っておいたそうだ。国の重鎮達が。」
と担当者。
狭い世界で生きているうちは問題など起こりようもなかった。
「第2王子は学園に通い始めて、第1王子と自身の違いを知り、王子らしさを示すのに躍起になったことが、ことの発端。」
「教育に失敗したのか?」
教育にも誘導にも失敗したわけだ。
「兄よりもできる、兄よりもすごい、という評判が欲しい第2王子は、王立学園に王族としての権限を行使するようになった。」
普通は、戦時中などの非常事態にしか、やらないものらしい。
「今現在、学園は第2王子の意向を無視できない。ニンデリーの国王陛下は、今まで、第2王子を止めていない。」
容認?
放任?
「今回、第2王子と同母の第2王女が入学するにあたり、トラブルメーカーが増える予想が出ている。」
「第2王女は、実際のところどうなんだ?」
「国王陛下から可愛がられて、愛されて生きてきたから愛に飢えてはいないけれど、躾には不安が残る。」
「あかんやつ!」
3
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気が付くと見知らぬ部屋にいた。
最初は、何が起こっているのか、状況を把握する事が出来なかった。
でも、鏡に映った自分の姿を見た時、この世界で生きてきた、リュカとしての記憶を思い出した。
記憶を思い出したはいいが、状況はよくなかった。なぜなら、貴族では失敗した人がいない、召喚の儀を失敗してしまった後だったからだ!
貴族としては、落ちこぼれの烙印を押されても、5歳の子供をいきなり屋敷の外に追い出したりしないだろう。しかも、両親共に、過保護だからそこは大丈夫だと思う……。
でも、両親を独占して甘やかされて、勉強もさぼる事が多かったため、兄様との関係はいいとは言えない!!
このままでは、兄様が家督を継いだ後、屋敷から追い出されるかもしれない!
何とか兄様との関係を改善して、追い出されないよう、追い出されてもいいように勉強して力を付けるしかない!
だけど、勉強さぼっていたせいで、一般常識さえも知らない事が多かった……。
それに、勉強と兄様との関係修復を目指して頑張っても、兄様との距離がなかなか縮まらない!!
それでも、今日も関係修復頑張ります!!
5/9から小説になろうでも掲載中
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる