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第1章 12歳。ニンデリー王国にあるニンデリー王立学園へ行こう。大人の思惑通りに動かないのは、少女の特権。
19.ガラン子爵家は、仲良し兄妹。3男ハーマルは、マイペースにデキる男。オッドア伯爵家の次男アレックスは、どうだろう?
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「後始末に奔走するくらいなら、明日の朝一、本気出す。」
と勤労意欲溢れる担当者がやる気を出して、出国していった。
迂遠な行程は避け、外交ルートを使って、直接ニンデリー王国に乗り込むのだろう。
マーゴットの3番目の兄ハーマルは、長兄デヒルに外交部の成果を見てから動くように、と伝言している。
「妹愛が凄くない?」
と残っている部下達。
「普通、軍隊率いて殴り込みに行くかな?」
「兄4人と妹だから?」
「妹だけに限らないぞ。ガラン子爵家は、家族の仲がいい。」
と上司。
「家族全員が、ハーマルみたいなんですか?」
「おう。ハーマルに、ハーマルの家族の悪口とか言うなよ。めちゃくちゃ怒るぞ。」
「ハーマルが怒ること、あるんですか?」
「そりゃあるだろう。わざと怒らせようなことはするなよ。」
マーゴットの3番目の兄のハーマルは、基本的に穏やかな性質の今年19歳になる若者だ。
ハーマルは、18歳でコーハ王国の貴族学校を卒業し、外交部へ就職した。
今日は、妹大事なあまり過激な一面を見せたが、職場で感情的になったことはない。
優秀な人材が死ぬ気で働く部署と言われている外交部でも、マイペースにやっている。
「ハーマルは、12歳で、コーハ王国の貴族学校に入学して、14歳で卒業に必要な単位の取得を済ませてから、卒業する18歳まで、あちこちの外国へ短期留学を繰り返し、留学先でも一定の成果をおさめてきた。マイペースにデキる子だからな。」
と念押しする上司。
今回、嫡子デヒルが殴り込もうとした先は、ニンデリー王国の学校と寮だったが、ハーマルが就職先で不当な扱いを受けたとガラン子爵家が判断したら、デヒルは外交部に乗り込んでくる男だ。
王太子の側近として、デヒルとも付き合いがある公爵家嫡子は、家柄で過小評価をしない。
『高位貴族?
分かりやすい目標を餌につけて仕事させろ。』
王太子と公爵子息を前にして、平然と言ってのけるのが、デヒルという男。
コーハ王国で、1番、敵に回してはいけない男だ。
経験不足だったり、噂に翻弄されやすかったり、見通しが甘い部下がやらかしそうで、上司は心配だ。
ハーマルの同期と年次の近い若者が、特に。
「ガラン子爵家の方は、問題ないですよ。問題は、オッドア伯爵家の次男坊です。」
と部下の1人が、潮目を変えた。
「アレックスだったか?」
と上司。
「はい。アレックスです。ニンデリー王国の王立学園を卒業後、嫡子の兄と共に領政に携わり、領地と王都を行き来、と報告にありますが、彼には、領地で兄のサポートをした実績がないんですよ。小さいものも含めて。」
「サポートなら、本人の実績になっていないんじゃないの?」
と同僚。
「オッドア伯爵家の当主や嫡子のサポートは、実質的に片腕の仕事を意味する。オッドア伯爵家の子どもは、伯爵家の一員として、小さいうちから、サポートに繋がる仕事をする風習がある。」
と上司。
「小さいうちに、小さいものから、実績を積み上げていく家なんです。」
と同僚。
「兄よりも、今年12歳の妹の方が、現場に出ています。」
と勤労意欲溢れる担当者がやる気を出して、出国していった。
迂遠な行程は避け、外交ルートを使って、直接ニンデリー王国に乗り込むのだろう。
マーゴットの3番目の兄ハーマルは、長兄デヒルに外交部の成果を見てから動くように、と伝言している。
「妹愛が凄くない?」
と残っている部下達。
「普通、軍隊率いて殴り込みに行くかな?」
「兄4人と妹だから?」
「妹だけに限らないぞ。ガラン子爵家は、家族の仲がいい。」
と上司。
「家族全員が、ハーマルみたいなんですか?」
「おう。ハーマルに、ハーマルの家族の悪口とか言うなよ。めちゃくちゃ怒るぞ。」
「ハーマルが怒ること、あるんですか?」
「そりゃあるだろう。わざと怒らせようなことはするなよ。」
マーゴットの3番目の兄のハーマルは、基本的に穏やかな性質の今年19歳になる若者だ。
ハーマルは、18歳でコーハ王国の貴族学校を卒業し、外交部へ就職した。
今日は、妹大事なあまり過激な一面を見せたが、職場で感情的になったことはない。
優秀な人材が死ぬ気で働く部署と言われている外交部でも、マイペースにやっている。
「ハーマルは、12歳で、コーハ王国の貴族学校に入学して、14歳で卒業に必要な単位の取得を済ませてから、卒業する18歳まで、あちこちの外国へ短期留学を繰り返し、留学先でも一定の成果をおさめてきた。マイペースにデキる子だからな。」
と念押しする上司。
今回、嫡子デヒルが殴り込もうとした先は、ニンデリー王国の学校と寮だったが、ハーマルが就職先で不当な扱いを受けたとガラン子爵家が判断したら、デヒルは外交部に乗り込んでくる男だ。
王太子の側近として、デヒルとも付き合いがある公爵家嫡子は、家柄で過小評価をしない。
『高位貴族?
分かりやすい目標を餌につけて仕事させろ。』
王太子と公爵子息を前にして、平然と言ってのけるのが、デヒルという男。
コーハ王国で、1番、敵に回してはいけない男だ。
経験不足だったり、噂に翻弄されやすかったり、見通しが甘い部下がやらかしそうで、上司は心配だ。
ハーマルの同期と年次の近い若者が、特に。
「ガラン子爵家の方は、問題ないですよ。問題は、オッドア伯爵家の次男坊です。」
と部下の1人が、潮目を変えた。
「アレックスだったか?」
と上司。
「はい。アレックスです。ニンデリー王国の王立学園を卒業後、嫡子の兄と共に領政に携わり、領地と王都を行き来、と報告にありますが、彼には、領地で兄のサポートをした実績がないんですよ。小さいものも含めて。」
「サポートなら、本人の実績になっていないんじゃないの?」
と同僚。
「オッドア伯爵家の当主や嫡子のサポートは、実質的に片腕の仕事を意味する。オッドア伯爵家の子どもは、伯爵家の一員として、小さいうちから、サポートに繋がる仕事をする風習がある。」
と上司。
「小さいうちに、小さいものから、実績を積み上げていく家なんです。」
と同僚。
「兄よりも、今年12歳の妹の方が、現場に出ています。」
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