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第1章 12歳。ニンデリー王国にあるニンデリー王立学園へ行こう。大人の思惑通りに動かないのは、少女の特権。

11.入寮トラブル。

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ニンデリー王国の入国手続きのときに、わたし達は、バネッサの使用人と合流した。

バネッサの使用人は、バネッサの入寮についてくる予定ではなかったが、兄のアレックスが指名した使用人は、アレックスとバネッサが仲違いしたため、バネッサの味方と見られたくないと来なかったそう。

そういう家庭内事情というより使用人の内情を主人や、主人の友人に話してしまうのは、使用人として、問題だとわたしは思ったが、バネッサはおかしいと思わない様子。

バネッサによれば、兄に媚びず、兄の意向を受けていないメイドや侍女、かつ、外国で寮生活にができ、バネッサの入寮のタイミングに間に合うのが、裏表なく話す彼女だったそう。

時期を見て、増やせそうなら、人を増やしていく、とバネッサは言っている。

伯爵家のご令嬢だと、侍女やメイドが1人だと手が回らなくなるかもしれない。

伯爵は、高位貴族に分類されるから。

わたし達は、学園の寮暮らしだけれど、貴族子弟や貴族子女は使用人帯同の寮と使用人なしの寮を選べる。

家や本人、その他の事情で、使用人なしを選ぶ貴族子弟や貴族子女もいる。

わたし達は3人共、使用人帯同の寮にしている。

治安が悪くないとはいえ、外国にいるから、何かのときに、使用人がいる方が安全。

荷物は先に運び込まれているから、後は、わたし達が入寮手続きを済ませるのみ。

荷物といっても、いうほどない。
ニンデリー王国は、買い物がしやすいから、必要なものは、入寮してから買う予定。

入寮手続きが終わり、部屋に案内された。

寮の部屋は全て個室。

ホテルのスイートルームが基準。部屋代によって、部屋数が減ったり、家具が質素になったりする。

わたしの部屋とキャスリーヌの部屋は、使用人の部屋と学生の部屋と簡易キッチンと浴室つきの部屋を頼んでいた。

案内された部屋を見て、わたしとキャスリーヌは、2人共、部屋の鍵の受け取りを拒否した。

案内されたのは、事前に申し込みした部屋のランクより何ランクも下の部屋。

「入寮の契約した部屋ではないから、契約した部屋へ案内するように。」
とわたしの侍女が職員に伝える。

「変更になりました。」
と職員。

は?変更になりました?

部屋を住む人間に断りなく、勝手に契約した部屋を変更する?

ニンデリー王立学園の寮は、部屋のランクによって、部屋代が変わる。

部屋代は先払い。

ランクが変わると、部屋代の桁が違う。
差額は、どうした?

「契約内容の確認を。」
とわたしの侍女とキャスリーヌの侍女が言っているのに。
契約内容の確認もしにいかない職員は、間違っていないと言いはる。

しまいには、
「変更したから、間違いじゃなくなったんです。」
と主張してきた職員。

意味がわからない。

わたしとキャスリーヌは、入寮手続きを中断して、寮を出て、コーハ王国のガラン家とベイモン家に連絡した。

両方の家から人を寄越してもらうことにする。

入寮するまでは、ホテル暮らしね。

寮の職員と話が通じないのは、寮生活に支障をきたす。

寮に入れない間、わたしとキャスリーヌの仮住まいがいるわね。
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