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第1章 12歳。ニンデリー王国にあるニンデリー王立学園へ行こう。大人の思惑通りに動かないのは、少女の特権。
9.担当者不在のため、回答しかねます。尚、担当者は永遠に不在です。
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オッドア伯爵家のハズレ兄アレックスの襟首を公爵子息につかんでもらい、バネッサの手続きに必要なものや、それ以外にもバネッサに必要なものを吐き出させた。
進んで出さないから、公爵子息についてきたガタイのいい男の人に、身体検査よろしく、探ってもらった。
アレックス以外も。
バネッサの側にいた使用人は、女子だから、男は無理!と言ったので、言質をとり、わたしとキャスリーヌとバネッサで、くまなく身体検査をした。
明らかに、何かを懐に隠し持っている素振りだったから、何が出てくるかと思いきや。
わたし達3人は、キャスリーヌの掌に乗っているペンダントを見ている。
正確には、チェーン部分ではなく、ペンダントトップを注視していた。
わたしとキャスリーヌとバネッサは、ブツの紋章に見覚えがあった。
これから向かうニンデリー王国の王家の紋章に似ていた。
おそらく、王宮への通行手形。
わたしは、公爵子息と3番目の兄ハーマルを呼んで、バネッサの側にいたアレックスの使用人が懐に隠し持っていた、と伝えた。
公爵子息が、アレックスを呼び寄せ、ペンダントの持ち主は、誰かと確認している。
「バネッサのものだから、バネッサに。」
というアレックス。
「懐に入れて持っていたのは、バネッサ嬢ではなく、側にいる女使用人だ。」
と公爵子息。
「私のものではないです。今初めて見ました。」
とバネッサ。
「嘘をつくな。バネッサのペンダントだろう!見覚えあるだろう。入学祝いで、渡したんだからな。嘘で兄を傷つける気か?」
とアレックス。
「嘘つきは、アレックスお兄様。私、お兄様から宝飾品を渡されたことは、1度もないわ。アレックスお兄様が渡したのは、私じゃないわよ。」
バネッサの声が冷たい。
「まだ言うか?アーニーから渡されているだろ!アーニーは渡したと報告してきた。嘘をつくことで、兄ばかりじゃなく、アーニーも傷つけることになるんだぞ。謝れ。」
とアレックス。
「貴女が、アーニー?」
わたしは、ペンダントを隠し持っていた女使用人を見た。
女使用人は、返事をしなかったが、アレックスが、肯定してくれた。
わたしは、バネッサにペンダントがいるか?と確認。
「曰く付きの宝飾品は、いらないわよ。このペンダントは、私の宝飾品のリストにもなかった。受け取りを拒否するわ。」
とバネッサ。
わたしは、公爵子息を見上げる。
「お聞きの通り、オッドア伯爵家の次男アレックス様は、このペンダントに心当たりがあるようです。わたし達には、もらっても使い道がないので、いりません。アレックスを絞ってみると、ペンダントの出どころが分かるのではないでしょうか。」
ニンデリー王国の王宮への通行手形になるペンダントが、コーハ王国のオッドア伯爵令嬢バネッサに渡るという流れ。
見逃してはならないと、わたしは思う。
女使用人アーニーは、アレックスから、ペンダントをバネッサに渡した日時を確認され、ペンダントを受け取ったバネッサの反応を聞き直されて、馬脚をあらわした。
ハズレ兄から妹のバネッサに用意したペンダントを妹に渡したと報告したが、くすねていた。
女使用人は、
「手違いで、まだお渡ししていないだけ。」
と罪を認めなかったが。
バネッサは、アレックスに向き直る。
「曰く付きの品は、縁起が悪いから受け取りません。ペンダントは、アレックスお兄様が処分してください。」
バネッサが受け取ると、報酬の前払いとか兄が言い出して、ゴリ押しする可能性もあった。
バネッサが断ったのは、英断だった。
アレックスは公爵子息により、ニンデリー王国の王太子に、コーハ王国の貴族令嬢の斡旋した件の事情聴取を受けることになった。
勿論、出国を許されず、国境から王城へ連行される。
アレックスがニンデリー王国の王太子の掌で転がされた証拠があろうとなかろうと、アレックスがニンデリー王国にたどり着かなければ、わたしの目的は達成できる。
秘技、担当者不在のため。
担当者がいないので、お返事できない、という万能の返しである。
バネッサの使用人は、今ついてきたのは追い返して、後から合流するように公爵子息が手配してくれることになった。
さすが。
仕事が早い。
深窓のご令息である3番目の兄ハーマルについてきただけはある。
3番目の兄ハーマルの性格は、深窓のご令息なので、身の程知らずを自分の足で蹴散らすことなんて、考えもしない。
仕事をし始めたら、鍛えられて強くなっていくとは思う。
3番目の兄ハーマルは、外交部勤務だから。
お隣の公爵子息は、内政担当なので、バネッサのハズレ兄の件は任せておける。
バネッサの使用人は、学校に到着する前に、わたし達と合流してほしいこと、バネッサ以外を主としない使用人は寄越さないことをオッドア伯爵家に突きつけてほしいと公爵子息に頼んでおく。
「徹底しているね。」
と公爵子息に感心された。
「不愉快にさせられる人間を連れ歩きたくない。」
と返しておいた。
それはそうだ、と公爵子息の賛同を得たので、この件は、これでよし。
当面の懸案も片付いた。
楽しい女子旅に出発しよう。
進んで出さないから、公爵子息についてきたガタイのいい男の人に、身体検査よろしく、探ってもらった。
アレックス以外も。
バネッサの側にいた使用人は、女子だから、男は無理!と言ったので、言質をとり、わたしとキャスリーヌとバネッサで、くまなく身体検査をした。
明らかに、何かを懐に隠し持っている素振りだったから、何が出てくるかと思いきや。
わたし達3人は、キャスリーヌの掌に乗っているペンダントを見ている。
正確には、チェーン部分ではなく、ペンダントトップを注視していた。
わたしとキャスリーヌとバネッサは、ブツの紋章に見覚えがあった。
これから向かうニンデリー王国の王家の紋章に似ていた。
おそらく、王宮への通行手形。
わたしは、公爵子息と3番目の兄ハーマルを呼んで、バネッサの側にいたアレックスの使用人が懐に隠し持っていた、と伝えた。
公爵子息が、アレックスを呼び寄せ、ペンダントの持ち主は、誰かと確認している。
「バネッサのものだから、バネッサに。」
というアレックス。
「懐に入れて持っていたのは、バネッサ嬢ではなく、側にいる女使用人だ。」
と公爵子息。
「私のものではないです。今初めて見ました。」
とバネッサ。
「嘘をつくな。バネッサのペンダントだろう!見覚えあるだろう。入学祝いで、渡したんだからな。嘘で兄を傷つける気か?」
とアレックス。
「嘘つきは、アレックスお兄様。私、お兄様から宝飾品を渡されたことは、1度もないわ。アレックスお兄様が渡したのは、私じゃないわよ。」
バネッサの声が冷たい。
「まだ言うか?アーニーから渡されているだろ!アーニーは渡したと報告してきた。嘘をつくことで、兄ばかりじゃなく、アーニーも傷つけることになるんだぞ。謝れ。」
とアレックス。
「貴女が、アーニー?」
わたしは、ペンダントを隠し持っていた女使用人を見た。
女使用人は、返事をしなかったが、アレックスが、肯定してくれた。
わたしは、バネッサにペンダントがいるか?と確認。
「曰く付きの宝飾品は、いらないわよ。このペンダントは、私の宝飾品のリストにもなかった。受け取りを拒否するわ。」
とバネッサ。
わたしは、公爵子息を見上げる。
「お聞きの通り、オッドア伯爵家の次男アレックス様は、このペンダントに心当たりがあるようです。わたし達には、もらっても使い道がないので、いりません。アレックスを絞ってみると、ペンダントの出どころが分かるのではないでしょうか。」
ニンデリー王国の王宮への通行手形になるペンダントが、コーハ王国のオッドア伯爵令嬢バネッサに渡るという流れ。
見逃してはならないと、わたしは思う。
女使用人アーニーは、アレックスから、ペンダントをバネッサに渡した日時を確認され、ペンダントを受け取ったバネッサの反応を聞き直されて、馬脚をあらわした。
ハズレ兄から妹のバネッサに用意したペンダントを妹に渡したと報告したが、くすねていた。
女使用人は、
「手違いで、まだお渡ししていないだけ。」
と罪を認めなかったが。
バネッサは、アレックスに向き直る。
「曰く付きの品は、縁起が悪いから受け取りません。ペンダントは、アレックスお兄様が処分してください。」
バネッサが受け取ると、報酬の前払いとか兄が言い出して、ゴリ押しする可能性もあった。
バネッサが断ったのは、英断だった。
アレックスは公爵子息により、ニンデリー王国の王太子に、コーハ王国の貴族令嬢の斡旋した件の事情聴取を受けることになった。
勿論、出国を許されず、国境から王城へ連行される。
アレックスがニンデリー王国の王太子の掌で転がされた証拠があろうとなかろうと、アレックスがニンデリー王国にたどり着かなければ、わたしの目的は達成できる。
秘技、担当者不在のため。
担当者がいないので、お返事できない、という万能の返しである。
バネッサの使用人は、今ついてきたのは追い返して、後から合流するように公爵子息が手配してくれることになった。
さすが。
仕事が早い。
深窓のご令息である3番目の兄ハーマルについてきただけはある。
3番目の兄ハーマルの性格は、深窓のご令息なので、身の程知らずを自分の足で蹴散らすことなんて、考えもしない。
仕事をし始めたら、鍛えられて強くなっていくとは思う。
3番目の兄ハーマルは、外交部勤務だから。
お隣の公爵子息は、内政担当なので、バネッサのハズレ兄の件は任せておける。
バネッサの使用人は、学校に到着する前に、わたし達と合流してほしいこと、バネッサ以外を主としない使用人は寄越さないことをオッドア伯爵家に突きつけてほしいと公爵子息に頼んでおく。
「徹底しているね。」
と公爵子息に感心された。
「不愉快にさせられる人間を連れ歩きたくない。」
と返しておいた。
それはそうだ、と公爵子息の賛同を得たので、この件は、これでよし。
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