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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1381.ユージュアルの婚約者。ガラン、ベイモン、ノアと皇国の婚約顔合わせの場で、結婚まで恙無く運ぶには、3組の兄と妹に?

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皇帝の命を受けたサブリーとユージュアルの婚約者は、まだ子どもの本命とスペアの婚約者に、顔合わせの場で、この婚約について丁寧に説明することから始めた。

万に一つの失敗も許されない現場がそこにあった。

子どもだから、と子ども扱いしようものなら。

子どもだと分かっていながら、婚約をゴリ押ししてきた皇国と皇弟への反感が爆上がりするのは明白。

サブリーの婚約者とユージュアルの婚約者は、微妙な均衡が崩れないように意識した。

微妙な均衡を保っているのは、ガラン、ベイモン、ノア、それぞれの兄と妹が、大人しくしているからだ。

3組の兄と妹は、顔合わせ前に、よく言い含められてこの場に連れてこられていることは、3組の様子から一目瞭然。

兄と妹は、互いを守るようにしっかりと手を繋いでいる。

年が近く仲が良い兄と妹は、2人で立ち向かおうとしていた。

突然、降って湧いた婚約話に。

気丈にも。

サブリーの婚約者とユージュアルの婚約者は、皇帝の直々の呼び出しの意味を噛み締めた。

ユージュアルの婚約者が、本命とスペアについて説明したところ、3組の兄と妹は、子どもなりに政略結婚をよく飲み込んでいた。

『皇国の皇家に近い貴族に外国の婚約者をたてるときは、本命とスペアで、性別の異なる実の兄弟姉妹を1人ずつたてる。』

ユージュアルの婚約者の説明に大人しく耳を傾ける3組の子ども。

スペアの兄と本命の妹が、同じ相手と婚約することに、3組とも異を唱えなかった。

聞き分けの良い3組の兄と妹に、口先おためごかしではなく、婚約の真実を話したのは、婚約者の立場から話さなくてはいけないと肌で感じたからだ。

『本命との婚約を公表するまでは、スペアが婚約者として振る舞うことが、本命の妹を守ることになることに繋がる。

皇族や皇家に近い貴族と婚約した外国の婚約者は、破談目的で狙われる。

結婚後は、伴侶の力で守る。

婚約期間中は、各婚約者が自分自身で、自分の身を守らないといけない。』
とサブリーの婚約者が説明するのを、3組の兄と妹はじっと聞いていた。

ユージュアルの婚約者は、3組の兄と妹の様子を見て、本題に入ることにした。

神妙に聞いている3組の兄と妹は、この流れで、素直に頷いてくれることだろう。

ユージュアルの婚約者は、3組の兄と妹が大人しく、説明したときの反応が従順な子どものそれだったために、最初に感じた危機感を、その一瞬、落っことしてしまっていた。

危機感を持ち続けていたら、3組の兄と妹にかける言葉を変えていたはず。

だが。

ユージュアルの婚約者は、皇国の皇家に近い貴族としての立ち居振る舞いが出てしまった。

決して、傲慢に振る舞ってはいけなかったのに。

ユージュアルの婚約者は、無意識に、無知なこどもへ言い聞かせるような言葉を使っていた。

『妹に何かあって、婚約がスペアの兄になった場合、婚姻後の兄の立場は、本命の妹が立つはずだった場所ではないので、よい扱いとは言えない。

この婚約を成立させるために、婚約している3人全員で、力を合わせることが必要だ。』
とユージュアルの婚約者が説明すると。

コトン、コトン、コトン、と連続して何かが床に落ちる音がした。
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