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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1365.金髪碧眼の鬼は、ハンティア王国に来てから、人生が変わったと喜んだの。それこそが、ハンティア王国の狙いとも知らずに。

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「鬼になる前のキミは、どういう理由で出入りしていたのかしら?」

「隠れ住んでいる姿が、私の故郷での待遇を思い起こさせた。

1人で隠れ住んでいて、いつかは人の社会に入っていきたいと考えながら、入っていかないでいる人物に、私は、人の社会に出てきたら楽しいことがたくさんあると教えたかった。

私は、もっと早くに知りたかった、と思ったから。

ハンティア王国での生活は、私の人生で一番刺激的で毎日が楽しかった。」
と金髪碧眼の鬼。

ボク、ハーマルお兄様、サブリーとユージュアルは、思うところがあったけれど、黙って、金髪碧眼の鬼の話しに耳を傾けたの。

「私は生まれたときから、出家が決まっていた。

ハンティア王国に来るまでの私は、己が出家することに、何の疑問も抱かなかった。

しかし。

私は、ハンティア王国へ来て、価値観が変わった。」
と金髪碧眼の鬼。

ハンティア王国の狙い通り、とボクは思って、金髪碧眼の鬼の話しを聞いているの。

金髪碧眼の鬼は、気づいていなかったようだけど、金髪碧眼の鬼は、ハンティア王国の策略にハマったの。

「ハンティア王国は、自由闊達で、未来への希望に溢れていた。

ハンティア王国での生活を知った私は、決められた未来に粛々と従って生きたくないと考えるようになった。」
と金髪碧眼の鬼。

留学してきた外国の第1王子が、ハンティア王国の自由闊達さに惹かれ、自国への不満を訴えるようになるのが、ハンティア王国の狙いではないの。

「私の未来を決めたのは、私自身ではない。

弱い家に生まれて王に嫁いだ母と王と母の家が、私の未来を決めた。

我が母、我が父の、なんと自分勝手なことか、と私は憤りを覚えるようになった。」
と金髪碧眼の鬼。

外国の王子が、留学先と、母国の慣習では問題がなかったことに違和感を覚えて、己を不遇だと断定しただけなら、問題はないの。

よくあるもの。

問題は。

己の待遇の原因が両親や国にあると結論づけて、自国や両親に対する忠誠心をなくして、ハンティア王国に傾倒していったことなの。

ハンティア王国が、金髪碧眼の鬼の国に、王子を留学させるように、と働きかけた目的は、王子をハンティア王国に傾倒させることなの。

ハンティア王国のしたことは、洗脳ではないの。

ハンティア王国が自国より素晴らしいとハンティア王国で話している王子など、ハンティア王国からの暗殺を恐れているか、ハンティア王国に洗脳されているようにしか見えないけれども。

ハンティア王国が素晴らしく自国にいいところはない、と、ハンティア王国で話している限り、外国の王子は誰からも非難されないの。

誰も相手にしないもの。

しょせん、島流しされてきた王子の世迷い言だもの。

ハンティア王国へ島流しされてきた王子が、母国から危険視されるとしたら、王子が母国で活動を始めるとなったときなの。

金髪碧眼の鬼は、自身で気づかなかったのかしら。

気づけなかったのかしら。

ハンティア王国の術中にハマって抜け出せないことに気づけなかった金髪碧眼の鬼は、ハンティア王国の狙い通りに動いて、ハンティア王国をほくそ笑ませ、自国に決断させたのじゃないかしら?
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