フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1344.キョンシーは、生前、ガランをよく思っていないのは明らかだったの。ボクと同じ色彩ではないロウウェルを狙ったのは、なぜかしら？

「何者かが男を殺して、死体を操ったね。」
とお父様。

「あれは、ただの死ではない。」
と龍。

「存在してはならぬもの。」
と龍。

「只人を存在してはならぬ何かに変える技術が、この世界で既に確立されているね。」
とお父様。

「お父様。恐ろしゅうございます。
ボクには、何ができますでしょう？」

「フィリスは、そのままでいなさい。

恐ろしいものは、私が調べよう。

技術ごと根絶やしにしなければね。」
とお父様。

ロウウェルとユージュアルが、ボク達に合流したの。

「どうして、死んだ男は、死んでもなお、ロウウェルを追いかけたのかしら？」

「ロウウェルとレイモンドが拘束したから？」
とユージュアル。

「死んだ男が執着していたのは、ガランなの。

濃淡の違いはあれど。

ボクと似た色の髪と瞳のユージュアルの方に向かおうとはしなかったのは、なぜかしら。」

「死んでしまうと、生前の執着がなくなる？」
とユージュアル。

「生前の執着に関係なく、死体を操っているように見えたよ。」
とお父様。

「恐ろしゅうございます。」

「騎士学校の敷地を出るまでは、全員、私といるように。

騎士学校を閉鎖したら、フィリスは、この件から離れなさい。

血判状は、私が管理する。」
とお父様。

ボクは、血判状をお父様にお渡ししたの。

血判状の名前を確認したお父様は、ご存知の名前を見つけられたの。

「念入りに準備されたものだよ、これは。

今、これが入手できて良かった。」
とお父様。

サブリーとレイモンドが、閉鎖準備を終えて、戻ってきたの。

「申し上げます。いつでも、閉鎖できます。」
とサブリー。

「閉鎖準備が整ったなら、全員騎士学校から出ることにしよう。」
とお父様。

ボク、サブリー、ユージュアル、ダンシェル、レイモンド、ロウウェルは、歩いて移動したの。

お父様は、宙に浮いて、宙を歩いているの。

お父様の隣には、異界の祟り神。

お父様の頭上には、4体の龍。

「総司令。ガランで調査するんだろ？
騎士学校の敷地を閉鎖したら、困らない？」
とロウウェル。

「困らないようにするから、大丈夫なの。
ここには、ボクのお父様がいらっしゃるもの。」

「総司令のお父上への信頼が青天井。」
とロウウェル。

「ボクのお父様だもの。」

ボク達は、お父様と騎士学校の外に出たの。

「サブリー、閉鎖なの。」

サブリーは、魔導具で騎士学校の敷地を閉鎖。

「フィリス。
近衛棟に戻り、次の仕事に取り掛かりなさい。

共有する情報は、少なくない。

いち早く共有してしまいなさい。

今回の騎士学校の件は、息を潜めてきた者らが動き出した感がある。

準備して、時期を見計らっている者は、まだ潜んでいる。」
とお父様。