フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1343.矢が刺さり息絶えていたはずの、知らない顔の男が、動き出した?

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ユージュアルの報告を聞いたお父様は、軽く手を上げたの。

「暗殺用の矢だね。
失敗したときのための準備も抜かりない相手だよ。」
とお父様。

「お父様。騎士学校の敷地内で、問題がある場所が他にもございましたら、敷地ごと一旦閉じてしまうのがよろしいかと存じますの。

ボクでは、気づけなかったのです。

お父様のお力で、ボクをお助けくださいませ。」

お父様は、いいよ、と承諾してくださったの。

「祟り神。敷地内をくまなく、調べて、私のところに戻っておいで。」
とお父様。

お父様に解き放たれた祟り神は、騎士学校の敷地内をふらふら飛び回り始めたの。

ボクは、お父様に、怨霊と傘妖怪の話をしてから。

血判状をお見せして、シノ教官や、ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生や、異世界転生者の平民の女子学生の話をしたの。

「騎士学校に関する調査は、ガラン主導にする。」
とお父様。

「はい。お父様。」

「ダルク、戻ったぞ。アウトな建物はなかった。」
とお父様の相棒、異界の祟り神。

「騎士学校を私が閉鎖する必要はないね。

フィリス、ガランが調査するまで、騎士学校を閉鎖しなさい。」
とお父様。

「はい、お父様。サブリー。騎士学校は閉鎖なの。

サブリーとレイモンドは、騎士学校を閉鎖する準備が出来次第、開始なの。」

「「了解、総司令。」」
サブリーとレイモンドは、閉鎖の魔導具を騎士学校の敷地内に設置するため、歩き出したの。

ロウウェルとユージュアルが生死を確認しにいった、矢がグサグサに刺さった男は直立不動の体勢で、ぴょーん、と跳ね起きたの。

男は、息絶えていたはずなのに。

跳ねた男の顔は、死人なの。

男は、くるっと回転すると。

ロウウェル目がけて、ぴょーんと跳んだの。

「ロウウェル、自身の安全第一で動くの!」

ボクが指示を出して、ユージュアルが動いたの。

「ロウウェル、走れ!俺が援護する。振り返るな!」
とユージュアル。

ロウウェルは、走り出したの。

死んだ男は、ぴょーん、ぴょーんとロウウェルを追いかけるの。

死んだ男は、5回のぴょーんで、ロウウェルに追いつきそうになったの。

ユージュアルは、縄を投げて、死んだ男を捕まえたの。

「お父様!
死んだ男をユージュアルが捕まえましたの。」

ボクは、すかさず、お父様にお願いしたの。

「龍、頼んだよ。」
とお父様。

「頼まれよう。」
龍は、また、ふっと息を吐いたの。

ごうっと死んだ男は、全身火に包まれたの。

火に包まれながら、ぴょーんと一往復した、死んだ男は、背面に刺さった矢ごと、跡形もなく燃え尽きたの。

「証拠隠滅もぬかりないね。」
とお父様。

「ダルクよ。あれは、あって良いものではなかろう。」
と龍。

「総司令。
今のが、怨霊の話していた、キョンシーでは?」
とダンシェル。
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