フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1334.招かれざる客には、どう対応するかを決めるの。

「招いていないどころか、本日は、騎士学校の学生と教職員以外、立入禁止にしていたんだけどなあ。」
とユージュアル。

「敵？」
と怨霊。

「敵、敵。」
と傘妖怪。

「総司令の言いつけを守れないコーハ王国の貴族がいるなら、おいたができないように、学習させよう。」
とサブリー。

「躾は、大事なの。」

「躾は、大人が子どもにするんだろう？」
と怨霊。

「躾の必要な大人もいるんだよなあ。」
とユージュアル。

「ボクの言いつけに背く場合、大人も子どもも関係なく躾が必要なの。

躾の甲斐がなければ。」

「なければ？」
と怨霊。

「埋めるしかない。」
とダンシェル。

「埋めた土を踏み固めるか。」
とロウウェル。

「踏み固める前の土には、花が咲く木を移植しようか。

恋人の逢瀬に使えるように。」
とレイモンド。

建物に向かって歩いてくる人の顔が見えてきたの。

「強そうな人を連れ歩いている人は、総司令の知り合い？」
と怨霊。

「違うの。ボクの知り合いは、ボクが今日は貸し切りだと言った場所に無遠慮に入ってこないの。」

「総司令は、ひょっとして、お怒り？」
と怨霊。

「ボクの邪魔をする者にボクは優しくしないの。」

「よりによって、このタイミングで来るかあ。」
とユージュアル。

「シノ教官がいなくなった途端に動き出した。」
とサブリー。

「こちらの出来事を手に取るように分かった上で動いている？」
とダンシェル。

「急ごしらえの装備じゃないだろう？」
とロウウェル。

「違うね。とるもとりあえず駆けつけた格好じゃない。」
とレイモンド。

「この事態を見越して、事前に準備していたのか？

もしくは。

建物内の出来事を把握していて乗り込もうとしているのか？」
とユージュアル。

「この事態を見越して事前準備の場合。

騎士学校の状況を把握していた者が騎士学校の外にいたことになるの。

騎士学校の現状を把握していながら、国へ報告しなかった者がいるの。」

「あえて、国に報告しなかったのか。

国に報告する必要を感じなかったのか。

それとも。

報告したものの、握りつぶされたのか。」
とユージュアル。

「生け捕りしないとなの。」

「後者の場合。

建物内の出来事を把握する方法は、二つある。

一つ。
建物内に、外の様子が分かる細工が施こされている。

二つ。
建物内にいる人間が、建物外に情報を流しているか。」
とサブリー。

ボクは、決めたの。

「突入してくる者のうち、情報を引き出せたら、死なせて構わないの。

貴族として今までやってこれなかったことを、これからやっていけるとは考えられないの。」

「「「「「了解、総司令。」」」」」