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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1333.シノ教官の最期は、怨霊には見せないの。お客様が来ているのかしら?ボク、呼んでいないの。

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ぴょんぴょん跳び跳ねるシノ教官に、ユージュアルが2本の縄を投げたの。

輪の先は、輪っかになっているの。

上下運動のみのシノ教官は、スっと輪の中へ。

すかさず。

ユージュアルは、シノ教官にかけた輪が締まるように、2本の縄を引っ張ったの。

ユージュアルは、2本の縄のうちの1本の端をサブリーへ投げたの。

サブリーは、縄をキャッチ。

「「せーの。」」
とサブリーとユージュアルは、同時に縄を引っ張ったの。

2本の縄に固定されたシノ教官は、一瞬、上下運動を止めたの。

「ポイするの。」

ボクは、シノ教官に向かって魔法陣を投げたの。

ブンっと起動する魔法陣。

サブリーとユージュアルは、同時に、ぱっと縄の端を手放したの。

シノ教官は、騎士学校からいなくなったの。

「え?消えた?」
と怨霊は、キョロキョロ。

「ボク達には手に負えないもの。

パスしたの。」

「パスする、とか、ありなんだ。」
と怨霊。

「ありなの。後はお任せするの。」

シノ教官のお届け先は、旧ビーイット公爵の王都邸の庭なの。

旧ビーイット公爵家の王都邸の庭には、マーゴットの新しい手下がいるの。

肉体も魂も全て燃やし尽くしてしまう地獄の禍々しい何か。

シノ教官は、どうにもならないの。

シノ教官自身の人格もだけど。

シノ教官に施された何らかの技術は、シノ教官が死ぬことを前提になっているの。

死んだ後も、自爆前提の技術が施されている肉体のシノ教官を救済する方法をボクは知らないの。

燃やし尽くして、再生も転生もできないようにしてしまうのが一番なの。

シノ教官は、肉体も魂も消滅させてしまうの、ボク。

怨霊と傘妖怪が、シノ教官の最期を見ることはないけれど、シノ教官に引導を渡したのは、ボクだと記憶させるの。

シノ教官を消滅させるのは、マーゴットではなく、ボクなの。

怨霊は、目の前からいなくなったシノ教官について言及しなかったの。

思うところがあったのかしら?

怨霊は、ユージュアルの縄投げを褒め称え始めたの。

「縄投げ、上手だった。ビュンとして、シュンだった。」
と怨霊。

「シュン、シュン。」
と傘妖怪。

「縄投げは、捕まえるときに便利なの。」

人も、動物も。

ユージュアルは、建物内の教職員と学生を観察しているの。

「シノ教官がいなくなっても、変化がないなあ。」
とユージュアル。

「シノ教官が、空間を支配していた、というわけではないのかしら?」

「総司令。お客が来た。」
とサブリー。

サブリーとレイモンドが、建物の出入り口を警戒したの。

建物の入口から、コーハ王国の貴族が、護衛を引き連れてこちらに向かっているのが、ボクにも見えたの。

「総司令。なんか、強そうな男がぞろぞろ歩いてくる!

敵?味方?どっち?」
と怨霊。

「ボク、誰もお招きしていないの。

ボク達、今とても忙しいの。

お呼びではないお客様には、速やかにお帰りしてほしいの。」
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