フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1328.チューニング魔法を使うと?使われると?『嫌だ、無理だ、黙れ、うるさい、頭が割れそうだ!』シノ教官の様子が?

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「チューニングと叫ぶと使える魔法をシノ教官に教えた、ということかしら?」

「うん。
難しい理屈は理解していなくても、叫んだら、魔法を使えるようにしたのかも。」
と怨霊。

怨霊の説明は、ボクの理解している魔法の使い方とは異なるの。

異世界転生したり、異世界転移していると理解しやすい原理があるのかしら?

「シノ教官がチューニングと叫ぶと、魔法が使えるなら。

魔法を使っているのはシノ教官自身ではない、ということはないかしら?」

「あるかも。
俺は、魔法に詳しくないから。」
と怨霊。

「総司令。シノ教官への指令が終わったようだ。」
とダンシェル。

チューニング魔法中、静かだったシノ教官は。

ぶつぶつ、ぶつぶつ、モゴモゴ、モゴモゴ、と口を動かしているの。

突然、うわあ、とシノ教官は叫んだの。

「嫌だ、無理だ、言いたくない。死にたくない。止めてくれ。止めてくれ。」
とシノ教官は、懇願を始めたの。

「シノ教官は、何を言いたくないのかしら?」

「無理だ、無理だ、うるさい、うるさい、静かにしてくれ。
聞きたくない、聞きたくない。」
とシノ教官は、懇願を止めて、騒ぎ始めたの。

「シノ教官が、騒いでいる理由が俺達には、分からないんだけど、何でだ?」
とユージュアル。

「黙れ、黙れ。もう黙れ。
音量をあげるな!
頭が割れそうだ。痛い、痛い!」
とシノ教官。

「黙ってほしいなら、説明しろ。」
とサブリー。

シノ教官は、痛い、うるさい、と騒ぎながら、騒いでいる理由を話し始めたの。

「チューニングが外れない。

チューニングをずらせば、聞こえなくなるはずなのに。

ずっと聞こえてくる。

いつまでも、いつまでも、繰り返してくる。

音量が段々おおきくなっている。

頭が痛い。

割れそうなほど、痛い!」
とシノ教官。

「俺達には、何も繰り返し聞こえてこない。

段々大きくなる音は、シノ教官だけに聞こえている。

シノ教官がチューニングと言ってから聞こえてきた、という認識であっているなら。

チューニングを終わらせる方法は?」
とサブリー。

「知らない。

いつもは、こんなにうるさくない。

終わらないなんてこともない。

音量が段々大きくなっていくなんてこともない!

頭が割れそうだ!

痛い、痛い!

説明したんだから、何とかしろ!

頭が痛くて耐えられそうもない!」
とシノ教官は、不機嫌そうに顔をしかめながら、ボク達に怒鳴ったの。

「チューニング魔法というのを、俺は、聞いたことがないんだけど、いつ知った?」
とサブリー。

シノ教官は、サブリーに返事しようとしていたんだけど。

急に白目をむいたの。

立ったままで。

「シノ教官は、痛みに気絶したのかしら?

気絶しても、倒れないのは、なぜかしら?」

ボクが不思議に思っていると。

「総司令。シノ教官のチューニング魔法について、総司令の予想が当たったかも。」
と怨霊が、緊張感高めの声を出したの。
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