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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1324.一人の着飾った女の来客をきっかけに、シノ教官は、騎士学校に保管されていた紙を持ち歩くようになったの。

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シノ教官は、騎士学校で保管していたものを持ち出したかどうか、一切答えなかったの。

うんともすんとも言わないの。

「シノ教官。騎士学校で実験した後に、さっきの紙を見つけたのか?」
とサブリー。

「見つけたのは、もっと前だ。
騎士学校に不似合いなものがある、と思った。」
とシノ教官。

「どこにあった?」
とサブリー。

「来賓室の壁に額に入れて飾られていた。」
とシノ教官。

大胆なの。

隠していないの。

騎士学校に来て、来賓室に入った者は、誰でも血判状を見ることができる状況なの。

血判状を飾った者には、誰かに見られたら、という危機感がなかった、ということかしら?

騎士学校の来賓室に飾ってあるから、いつでも見に来いという同志への誘いかしら?

それとも。
弱みを握っていることを分からせて、言いなりにするためかしら?

「シノ教官は、額に入れて飾られていたから、価値があると思って、額から取り出し、持ち歩いたのか?」
とユージュアル。

「勿論。騎士学校を訪ねてくる貴族は、必ず来賓室へ趣き、額に入っている紙を確認する。」
とシノ教官。

血判状に、名前が増えるなどの変化がないかどうかを確認していたのかしら?

「何人かに持ち帰らないのかを確認したら。

没落貴族から一代貴族になり、国王の相談役にまでのぼりつめた人が騎士学校に預けたものだと分かった。」
とシノ教官。

「騎士学校に飾られていたものを持ち歩くようになったのは、シノ教官に心境や状況の変化があったからか?」
とユージュアル。

「ああ。あったとも。
騎士学校に来たことがない、騎士学校に不似合いな着飾った女が騎士学校に来て、ごちゃごちゃ言ってきたから、あの紙を見せたら、暫く紙を見て帰っていった。

そのときに、この紙は、使えると分かったんだ。」
とシノ教官。

「ごちゃごちゃ言ってきた女に使えるなら、シノ教官が持ち歩くよりも、騎士学校に置いておく必要があったんじゃないか?

ごちゃごちゃ言ってくる誰かが、騎士学校に押しかけてきたとき、シノ教官が対応するとは限らないだろう?」
とユージュアル。

「私が紙を持っていれば、騎士学校の教職員である私が、貴族へ紙を見せるだけでいい。

貴族は、黙る。

騎士学校の教職員は、私に頭が上がらなくなる。」
とシノ教官。

「紙を騎士学校に戻すように、とは誰にも言われなかったのか?」
とユージュアル。

「戻すくらいなら、破り捨てると言ったら、誰も私に逆らえなかった。」
とシノ教官。

シノ教官は、得意げに続けたの。

「紙を持ち歩く私は、誰にもペコペコする必要がなくなった。

騎士学校の教職員は、対貴族最強の切り札を持っている私を一教員として扱わない。

今の騎士学校の教職員で、私に従わないやつは、一人もいない。」
とシノ教官。

シノ教官が、騎士学校で好き放題できていたのは、シノ教官から取り上げた血判状のせいだったの。

「シノ教官が会ったという着飾った女は、どんな見た目だったのかしら?」
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