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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1320.ボク、シノ教官の本心に気づいたの。平民を戦わせたくない、がシノ教官の本心じゃないの。平民が戦わなくてもよいということは、なの。

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「真面目に生活している平民が、戦う仕事に就くなどあり得ない。

平民を戦わせたいなどというのは、貴族の傲慢だ。

平民を虐げるな。

ふんぞり返っている貴族が、戦え。」
とシノ教官。

「シノ教官は、騎士だろう?
騎士でありながら、戦わないと言うのか。」
とダンシェル。

ボク、シノ教官の本心に気づいたの。

シノ教官が嫌がっているのは、平民が戦うことではないの。

シノ教官自身が、戦いたくないの。

シノ教官は、平民が戦うことがなければ、シノ教官が戦うこともなくなる、という考えなの。

シノ教官が、平民が戦わないで済む理屈をこねこねしているのは、シノ教官自身のためなの。

それなら。

なぜ、シノ教官は、騎士学校に入学して騎士になろうとしたのかしら?

騎士にならなければ、戦いたくない、が通用する未来があったんじゃないかしら?

世の中が、どうこうと、話を大きくしなくても、シノ教官一人だけの問題で済んでいたの。

「シノ教官は、平民が戦わない道を貫き通そうとしているの。

頑なに。

なぜかしら?

シノ教官は、貴族の血が入っていない生粋の平民なの。

シノ教官は、自身で選択して騎士学校に入学しているの。」

騎士学校に入学して騎士にならないといけない理由が、シノ教官にはあったのかしら?

「平民が真面目に生活するための仕事があって、平民が長く働ける仕事に就ける環境が整っていることは、恵まれているだろう。」
とサブリー。

「戦いが向いている平民には天職だからね。

騎士は身分も保証されて、暮らしぶりもよくなる。」
とレイモンド。

「恩恵と特典満載の貴族に戦わせればいい。

貴族に美味しいとこ取りをされてばかりの平民を戦わせたら、可哀想だと思わないのか!」
とシノ教官。

シノ教官は、自分が楽をしたいから、自分がしたくないことを他人に押し付けたいの。

シノ教官自身が戦わなくても、責められないように、平民を戦いから遠ざけるのが、シノ教官の目的だと思うの、ボク。

「シノ教官。キミが生まれ育った場所はどこかしら?」

「何を言っているんだ。」
とシノ教官。

「キミは、自身が住んでいる国を守ることを他人に任せて、国が守れると、本気で考えているのかしら?」

「国民全員が戦わなくてもいいはずだ!

戦いには、向き不向きがある!」
とシノ教官。

シノ教官の考え方は、コーハ王国では通用しないの。

「コーハ王国は、国民が一丸となって戦うの。

貴族は、政治で戦うの。

平民は、人力で戦うの。

貴族と平民が、それぞれ、国を守るために自ら戦うことを放棄しなかったから、コーハ王国は、今まで歴史を紡いでこられたの。」

ボク、コーハ王国の在り方は潔いと思うの。

貴族も平民も、コーハ王国で生まれて、コーハ王国で生きていく場合、コーハ王国の在り方の中で好きなことをしていくの。

コーハ王国の在り方を根底から否定するシノ教官は、怪しいの。
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