フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1318.シノ教官が、騎士学校に対して抱えている思いとは？騎士学校の学生と教職員に対しては？

シノ教官は、布に巻かれたまま立っているの。

「生春巻きに似ている。食べ物なんだ。

シノ教官だから、美味しくなさそうだけど。」
と怨霊は、シノ教官の姿をたとえたの。

「美味しくない、美味しくない。」
と傘妖怪。

「誰が言うか！返せ。
貴族は、横暴だ。
貴族は、私達から無理矢理取り上げる。」
とシノ教官。

シノ教官は、紙をボクにとられたの。

シノ教官の言う私達は、貴族に何を取り上げられたのかしら？

『私達』がさす範囲は、どこからどこまでかしら。

『私達』は、血判状に書かれた名前の人物かしら。

血判状に名前のなかったシノ教官は、『私達』に含むのかしら？

シノ教官は、シノ教官自身の考えと誰かの考えが分けられていないの。

一緒くたに主張しているの。

「シノ教官は、騎士学校で何を学んだのかしら？」

シノ教官には、騎士の話し方が身についていないの。

貴族に対する礼儀のみならず、騎士としての作法が全然なってないの。

「騎士学校は、恐ろしい場所だ。」
とシノ教官。

「シノ教官が、騎士学校を恐ろしい場所に変えたということかしら。」

騎士になりたかった学生を死なせたことに対して、シノ教官からは罪悪感が感じ取れないの。

シノ教官の同僚の教職員を巻き込んだことに対しても同じく、シノ教官からは何の感傷も感じ取れないの。

人の命を弄び、人の人生を歪めてつぶしても、シノ教官はなんとも思っていないの。

悪いことをした、とも。

いいことをした、とも。

シノ教官のしたことで、シノ教官以外は無事ではないという状況なのに。

誰に対しても、何の感傷もなく、ただ、主張したいことを主張するシノ教官。

「平民の子どもを集めて、人殺しの作法を教え、人殺しを正当なもの思わせた子どもを世の中に送り出す教育機関など、この世にあってはならない。

国が運営するなど、言語道断。」
とシノ教官。

「シノ教官。
キミは、武力で国が滅ぼされても気にしないのかしら？」

「気にするところは、そこではない。

15歳だ！

たった15歳の子どもに、剣を握らせ、人を殺す仕事をやらせているとは、非道な！

国が少年兵を積極的に生み出しているんだ！

少年兵など虐待だ！

子どもを兵士に仕立てるこの国は、腐っている。

騎士学校などというものは、悪しき慣習を実現するためにある、あってはならないものだ。」
とシノ教官。

シノ教官が、気にしたいことは、コーハ王国では無意味なの。

「シノ教官は、騎士学校をなくしたいのかあ？」
とユージュアル。

シノ教官が、騎士学校を無くそうとしていた理由が、判明したの。

「騎士学校は、この国の恥部。忌まわしい教育機関は早々に無くすべきだ。」
とシノ教官。

「シノ教官は、コーハ王国で生きている自覚があるかしら？

少年兵という言葉は、コーハ王国に相応しくないの。」

「私はコーハ王国民になった。私は、恥ずべきこの国を変えてみせる。

まずは、騎士学校などというものを無くすと決めた。」
とシノ教官。

シノ教官は、騎士学校を無くすために、学生と教職員を全滅させることにしたのかしら？