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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1315.国王陛下の相談役を務めた一代貴族の生家は、伯爵だけど、与えられた一代貴族の爵位は、男爵。成り上がりに成功したとは言えないの。

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「国王陛下の相談役を務めて、一代貴族になった、ということは、貴族をなくしたいわけではなかったと思うの。」

「そもそも、貴族をなくしたい、という発想は、どこから出てきたんだ?」
とユージュアル。

貴族階級をなくした国は、貴族社会ではなく、別の階級社会になったの。

その国で生き残る体力のない貴族は、にっちもさっちもいかなくなって、落ちぶれたの。

上澄みは、変わらなかったの。

上澄みにくっついていた者達は、成功者として、大きな顔をするようになったの。

早い話。

貴族社会を無くそう、というイメージを利用した権力闘争だったの。

権力闘争に勝ち抜いたり、勝ち馬に乗った者が栄え。

権力闘争の標的にされたりして力を削られた者や、時流を読みきれなかった者は、没落したの。

貴族階級を無くせと主張した者に、支配者のいない国を作ろうとする者は、一人もいなかったの。

今の支配者を気に入らない者は、自分が支配者になれる形を追求したの。

自分が支配者になるためには、どうすればいいか、と考え、貴族階級をなくすという結論に至ったから、その国の今の支配者は、貴族階級をなくすために動いた。

それだけなの。

国王陛下の相談役だった一代貴族は、成り上がったけれど、一代貴族として、順当な爵位は与えられなかったの。

一代貴族として与えられる爵位は、基本的に生家の爵位と同等な爵位まで、なの。

同等な爵位であったなら。

国王陛下の相談役は、伯爵の一代貴族になっていたはず。

でも。

与えられた爵位は、男爵だったの。

生家よりも、低いの。

政治的な交渉に失敗して、伯爵位を与えられなかったんじゃないかしら。

「あの方は、没落貴族だったが、お前達とは違った。

貴族の身でありながら、私達の苦労を理解し、私達に親身になってくださった。」
とシノ教官。

平民に没落貴族呼ばわりされて、怒らない貴族がいるかしら?

国王陛下の相談役だった一代貴族は、没落貴族だと自称はしなかったと思うの。

相談役にまで、上り詰めるくらいだもの。

国王陛下の相談役を没落貴族という悪意ある紹介をした何者かが、国王陛下の相談役とシノ教官との間にいるの。

「会ったことがない、あの方が、シノ教官に親身になってくれた、と、どうして分かるんだ?」
とユージュアル。

「あの方は、この世界に絶望している人に救いの手を差し伸べてくださった。」
とシノ教官。

「シノ教官に何かをしてくれたのかあ。」
とユージュアル。

「勿論。私のように、悩み苦しむ者には、真っ先に救いの手を伸ばして下さった。」
とシノ教官。

「シノ教官が、救われているようには見えないんだけどなあ?」
とユージュアル。

現在、シノ教官が救われる兆しはないの。

「私には、これがある。」
とシノ教官は、ポケットから何かを取り出したの。
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