上 下
1,328 / 1,415
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1309.建物の壁に打ち付けられた板を釘ごと外してみようと思うの。外した後はどうしようかしら?サブリーとレイモンド、退避なの!

しおりを挟む
壁に打ち付けられた板の厚みは薄く、手の親指と小指をいっぱいに広げたくらいの幅の長方形なの。

薄い板を服に忍ばせて持ち込み、釘を打ち付けたのかしら?

釘を抜いて、板を外したとして。

「傘妖怪。この板を外した後、この板をどうしたらいいのかしら?」

「外す、外す。」
と傘妖怪。

傘妖怪は、外す以上の対処を知らない可能性があるの。

「外して、効果がなくなるのかしら?

外して床に置いたら、同じ効果になったりしないかしら?」

ボクが悩んでいると。

「燃やしたら?

古くなった御札は、神社で燃やしているのを見た。」
と怨霊。

「燃やすのは、騎士学校の建物内から出してからにするの。

傘妖怪、外し方の手順はあるかしら?」

ボクが尋ねると、傘妖怪は、打ち付けられた板にぶつかっていこうとしたの。

「傘妖怪。ぶつかったら、危なくないかしら?

ボク、キミの体の耐久性が分からないの。」

「危ない、危ない。」
と傘妖怪。

「危ないなら、傘妖怪は、ぶつからない方がいいの。」

「俺が。」
とダンシェル。

「作業はボクがするの。

2人1組で動くとき、2人共が作業で身動きできない事態にならないようにするの。

片方は、必ず周囲を警戒するの。」

ボクは、神気を一瞬、釘にまとわりつかせて、釘が刺さった状態で、板を壁から剥がしたの。

神気で板を浮かせた状態で、板をひっくり返してみたの。

板の壁に接していた側には、ボクの知らない文字が書かれているの。

「ボクには、読めないの。」

「俺、読めるかも。」
と怨霊が板を読もうとしたから、ボクは、板を怨霊から遠ざけたの。

「良くないことが書いてあるなら、読まない方がいいの。」

「うん。嫌な気持ちになるかもしれないから、見ないでおく。」
と怨霊。

「見ない、見ない。」
と傘妖怪。

板に書かれている文字が呪いであった場合、怨霊や傘妖怪に影響が出る恐れがあるの。

負の存在の怨霊は、呪いに近づかない方がいいの。

傘妖怪は、この世界の妖怪とどのくらい同じかが不明だけど、妖怪として生まれてから、時間が経っていないように感じるの。

傘妖怪の力がどんなものか、傘妖怪も自覚していないと思うの。

傘妖怪の自我は、怨霊の気持ちに引きずられているから、怨霊を不安定にするわけにはいかないの。

ボクは、釘ごと壁から剥がして神気で包んだ板を浮かせながら、板が接していた壁を神気で撫でたの。

壁に、神気の引っかかりはなし、なの。

「板を外しても、サブリーとレイモンドが対応している教職員に、劇的な変化は見受けられないの。」

無反応すぎないかしら?

「うわ!」
とサブリー。

サブリーの腰に腕を回していたレイモンドが、空いている方の腕で剣をふるったの。

「サブリー、レイモンド。退避なの。」

サブリーとレイモンドは、ボクとダンシェル、怨霊、傘妖怪のいる場所まで、移動してきたの。

「教職員が!」
とサブリー。

「襲ってきた。総司令が、壁から板を外した瞬間に、無気力な表情のままで。」
とレイモンド。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

英雄様の取説は御抱えモブが一番理解していない

薗 蜩
BL
テオドア・オールデンはA級センチネルとして日々怪獣体と戦っていた。 彼を癒せるのは唯一のバティであるA級ガイドの五十嵐勇太だけだった。 しかし五十嵐はテオドアが苦手。 黙って立っていれば滅茶苦茶イケメンなセンチネルのテオドアと黒目黒髪純日本人の五十嵐君の、のんびりセンチネルなバースのお話です。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

【R18+BL】ハデな彼に、躾けられた、地味な僕

hosimure
BL
僕、大祇(たいし)永河(えいが)は自分で自覚するほど、地味で平凡だ。 それは容姿にも性格にも表れていた。 なのに…そんな僕を傍に置いているのは、学校で強いカリスマ性を持つ新真(しんま)紗神(さがみ)。 一年前から強制的に同棲までさせて…彼は僕を躾ける。 僕は彼のことが好きだけど、彼のことを本気で思うのならば別れた方が良いんじゃないだろうか? ★BL&R18です。

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)

黒崎由希
BL
   目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。  しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ? ✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻  …ええっと…  もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m .

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

処理中です...