フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1308.怨霊『地縛霊になるまで、霊なんか信じていなかった。オカルトには詳しくないんだ。』傘妖怪が、何か気になるみたいなの。

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怨霊は、考え、考え、答えたの。

「俺、呪いとか、信じなかったんで、人を呪い殺した経験はないんだ。」
と怨霊。

「なくても良い経験だと思うの。」

「俺は、自分が地縛霊になるまで、霊の話を聞いて怖がる気持ちが理解できなかった。

自分が地縛霊になったときに、たまに聞く怖い話が実話だったのかと知った。

自分が地縛霊にならなかったら、霊なんて信じなかった。」
と怨霊。

「霊の自覚があるだけ、たいしたものなの。」

怨霊が、力のある怨霊なのは、異世界にいたときから、力が強い地縛霊だったからかしら?

「俺が聞いた怖い話や不思議な話に当てはまる事例を思い出してみる。」
と怨霊。

「よろしくなの。」

「建物の向きが悪い、とか、何かをこの場所に置くと運気が下がる、とか、は聞いたことがある。」
と怨霊。

「この建物は、最近の建物ではないから、建物自体が原因で問題が起きているなら、もっと以前から、問題が起きていてもおかしくないの。」

「かつての戦場跡地に建っていたり、霊の通り道になっていたり、で、悪いものがたまりやすい土地とか。」
と怨霊。

「誰も死んでいない土地を探すのは、難しいの。

人は、歴史の分だけ、栄枯盛衰を繰り返すもの。」

「建物を建てる材料に曰く付きを使ったとか。」
と怨霊。

「騎士学校に、最近建てた建物はないの。」

「生き物を殺して、憎しみを封じ込めて、呪いにした、とか。

呪いの札を貼ったりとか。」
と怨霊。

「その二つで調べてみるの。

怨霊。
異世界の呪いの札は、どんなものかしら?」

「紙か木だった。呪われた呪物だと、加工された物だったりした。」
と怨霊。

「ボクが闇雲に探すより、怨霊と傘妖怪の異世界の常識を使って、どこに使うことが多いか、ボクに示してほしいの。

ありそうな場所から探すの。」

うーん、と怨霊は考え込んだの。

「俺、オカルトには詳しくないんだ。

エロとオカルトの組み合わせとか、エロと触手の組み合わせとか。

実際に見たことがないものでは、楽しめなかったから。」
と怨霊。

「オカルト、オカルト。」
と傘妖怪。

傘妖怪は、ボクの手を引いたの。

「傘妖怪は、行きたい場所があるのかしら?」

「行きたい、行きたい。」
と傘妖怪。

「怨霊よりも、傘妖怪の方が敏感だったりするのかしら?」

「俺は、興味がないけど、オカルト好きは、オカルトに詳しい。」
と怨霊。

「傘妖怪、ボク達を案内してほしいの。」

「案内、案内。」
と傘妖怪。

傘妖怪は、ボクと繋いだ手を引っ張るの。

ダンシェルは、ボクの腰を抱いた状態で、傘妖怪がボクを引っ張る方へ宙を歩く。

傘妖怪は、ボクと繋いでいない方の手で指さしたの。

傘妖怪の指さした先は、何も書いていない板が一枚、雑に打ち付けられている壁。

「打ち付けられている板が原因かしら?

板を壁から外せばいいのかしら?」
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