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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1301.シノ教官とシノ教官に洗脳された、騎士学校の学生は、超えてはならない一線を超えたの。

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騎士学校の学生は、シノ教官の台詞に焚き付けられたように、止まらないの。

「俺達は、極悪貴族のフィリス・ガランなんかに騙されないぞ!」

「私達は、一人一人が世界の主役になれる。」

「平民の私達が、この世界の主役に相応しい!」

「平民の方が、貴族より数が多いんだ。」

「数の力で、平民は勝つ!」

「たくさんいる平民が国を治めればいい。」

「貴族なんかいらない。」

「王もいらない。」

騎士学校の学生は、威勢がいいの。

でも。

騎士学校の学生が口にしている内容は、全部、罪になるの。

大逆なの。

学生の言葉は、不敬罪や、既存の体制への不満を通り越してしまっているの。

王侯貴族の階級社会を全否定して、現体制を破壊し、国家の転覆を宣言しているも同然なの。

学生自身が、自身の台詞の重みを理解しているかどうかまで、踏み込めない今、ボクは確認できないけれど。

近衛のボク達の前で発された言葉の数々は、なかったことにはならないの。

近衛は、貴族なの。

ボク達は、体制側だもの。

為政者として、国を乱す原因となる不穏分子を放置したり、温存したりはしないの。

たとえ。

騎士学校の学生であっても。

平民の、洗脳された、成人前の子どもであっても。

体制に対する不満を口にすることは、容認されないことなの。

「平民が、貴族が、キミ達は言うけれど。

キミ達は、騎士になった後、貴族のはしくれとして、平民に打ち倒されることをよしとするのかしら?」

どうして、学生は、騎士になれば、体制側になると認識できていないのかしら?

「私達は、無慮な平民の味方だ。」

「なぜなら、私達は、平民だからだ。」

「平民は、平民を裏切って、貴族におもねったりしない。」

「平民には、平民魂がある。」

学生は、相変わらず盛り上がっているの。

これ以上は、聞くに堪えないの。

ボクは、学生に言って聞かせるのを辞めたの。

「シノ教官。

シノ教官が肉の壁にしている学生に、いち早く告げるの。

シノ教官の巻き添えを食わないように、速やかにシノ教官の周囲から避難せよ、と。

これより、シノ教官が、学生を肉の壁にし続けることは、学生の命をシノ教官が奪うことと同義。

シノ教官が肉の壁にしている命の分だけ、シノ教官の罪は増えるの。」

「学生の未来に尽くした私を罪深き者と断ずるとは。

フィリス・ガランが、私のことをなんと言い表したか、学生諸君も聞いただろう?

これが、貴族だ!

私の何を知ろうともせずに、一方的に断罪するフィリス・ガランは、傲慢な貴族の典型。

私は、今、傲慢な貴族フィリス・ガランに断罪されようとしている。」
とシノ教官は、大仰に嘆いてみせたの。

ボクは、学生が騒いでも、もう耳を貸さないの。

「シノ教官は、騎士学校の学生の未来を奪い、国を危機にさらした重罪人なの。

シノ教官に賛同して、シノ教官の肉の壁になろうとする学生に助かる術はないの。」
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