フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1276.コーハ王国の貴族は、養子をとらないの。異世界転生者の平民の女子学生は、貴族の養女になれると信じていたの。

「ならないの、じゃないのよ。私は養女になりたいんだから。」
と異世界転生者の平民の女子学生。

「コーハ王国の貴族の定義は、生物学上の両親が、コーハ王国の貴族であることなの。
キミの生物学上の両親は、どちらもコーハ王国の貴族かしら？」

重要なの。

「生物学上の両親？なにそれ。そんなこと聞いていないけど！フィリス・ガランが、勝手に言っているだけじゃないの？」
と異世界転生者の平民の女子学生。

ボクが言うことは、全部聞くに値しないという、決めつけは、どこから来るのかしら？

「そもそも、コーハ王国の貴族は、貴族同士でも養子を取らないの。」

「子どもがいなかったらどうするの？」
とナーレーン伯爵家の血を引く女子学生。

「後継がいなかったら、その家は終わりなの。」

「厳しい。」
とナーレーン伯爵家の血を引く女子学生。

「コーハ王国の貴族は、必ず、初代まで血筋をたどることができるの。

貴族の婚姻は、政略が基本だもの。

コーハ王国の貴族は、養子、養女をとることはないの。」

「自分の子どもは、嫁に出さないで、養女を代わりに嫁に出したりはしないの？」
とナーレーン伯爵家の血を引く女子学生。

「血筋の異なる者を娶せても、政略結婚は、成り立たないの。」

「嫁入り先の領地を盛り立てたら、予定にない婚約者のはずが、愛されたりするものでしょ？」
と異世界転生者の平民の女子学生。

「予定にない婚約者は、婚約者ではないから、婚姻は不成立なの。」

「は？可愛い女の子が準備しているのに、結婚しよう、とならないの？」
と異世界転生者の平民の女子学生。

「本来の婚約者との婚姻を拒絶すると、政略結婚が流れるの。

政略結婚が流れる、ということは、政略結婚によって決まるはずだった貴族同士の取り決めもなくなるということなの。

貴族らしい貴族、貴族の自覚がある貴族は、政略結婚を疎かにしないの。

貴族は、基本的に、貴族としての信頼と価値を失うようなことをしないものなの。」

「それじゃ、私は貴族の養女になれないの？」
と異世界転生者の平民の女子学生。

「コーハ王国において、平民を養女にとろうとする行為は、たとえ成功しなくても、貴族の家名を傷つけるものなの。

コーハ王国の貴族の自覚があれば、平民を養女になど考えないの。」

「でも、たしかに！」
と異世界転生者の平民の女子学生。

「平民を養女にするという約束が確かなら、コーハ王国の貴族ではないの。

コーハ王国ではない貴族の養女となり、コーハの、平民の戸籍を抹消されるか。

はたまた、キミは騙されたか。

平民のキミを養女にする、という約束で、キミは、何かしらのことを既にしたのかしら？」

ボクは、動揺している異世界転生者の平民の女子学生に尋ねたの。