フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1267.騎士学校の教職員と学生は、一枚岩ではない？ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生と、女子学生に従っていた男子学生は、熱狂の中で？

質問した男子学生の近くにいた女子学生の演説に酔いしれるように拍手喝采する学生達。

教職員は、一人も拍手喝采していないの。

学生と教職員の差は、何かしら。

大衆に都合のよい綺麗事を並べたてて、の扇動は、知能と経験値が上回る相手には通じなかった、ということかしら。

騎士学校の教職員と学生の動きは、連動していない、ということになるの。

騎士学校の教職員は、古馴染みの貴族の情報に踊り狂っているうちに、我を忘れたのかしら？

国に仕える騎士が、国ではなく、一貴族の情報だけに左右されることなど、言語道断なのだけど、教職員が学生と一枚岩ではない、ということは収穫なの。

一方。
学生は、学生の中にいる扇動者に洗脳されたのかしら。

異世界転生者の平民の女子学生は、大衆に埋没しているように見せているの。

異世界転生者の平民の女子学生の口元が動くと、周囲が伝言ゲームを始めるの。

拍手喝采の拍手は、さざ波のように隣へ隣へ広がっていったのだけど、全ての指示を出していたのは、異世界転生者の平民の女子学生なの。

全校生徒の割れんばかりの拍手に、ほっとしているのは、ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生。

ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生の周りの男子学生の反応は、拍手喝采の中にいても変わらずなの。

高揚する他の学生とは対象的に、表情が沈みきっているの。

ほっとしているナーレーン伯爵家の血を引く女子学生は、周りの男子学生の反応が全体と違うことに気づいていないの。

ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生に従って、騎士になる道を自ら閉ざした男子学生は、ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生を捕まえたの。

「痛い！離して！」
とナーレーン伯爵家の血を引く女子学生は、自分を捕まえた男子学生に抗議したの。

「お前のせいだ！」
「お前が俺の人生を狂わせたんだ！」
「俺の夢を潰した責任をとれ。」
「騎士になる日のために、ずっと我慢を重ねてきたのに！」
「俺の生活は、全部変わるはずだった！」

ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生に従っていた男子学生は、お嬢様扱いしてきた女子学生を吊し上げ始めたの。

ナーレーン伯爵家の血を引く男子学生が、周りの学生の熱にのまれないのは、周りの学生と違って、夢も希望も失い、転落すること待ったなし、絶望の淵に立たされているからなの。

「危ないことするなよ。」

「暴れるなら、全員で外に行けよ。」

熱狂する学生の多くは、ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生と女子学生を吊し上げる男子学生に興味を示さなかったの。

ナーレーン伯爵家の血を引く女子学生は、誰も助けてくれそうもないと気づいて騒ぎ出したの。

「助けて、助けて！痛い！痛い！私は、ナーレーン伯爵令嬢なのよ！」
とナーレーン伯爵家の血を引く女子学生。