フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1266.コーハ王国の騎士としての向き不向き。質問した男子学生の近くにいた女子学生は、か弱い平民を自称し、ボク達3人は半分平民だと言ったの。

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「同僚の騎士となる予定の学生の異常行動を見ても、他人だから無関係、と放置して。

自分は、傍観者に徹していたので悪いことはしていません、という思考を持ち、その思考に疑問を抱かないところ。

こういった性質は、コーハ王国の騎士には、向いていないの。」

不正をやっている同僚を咎めない気質は、コーハ王国の騎士には不要だもの。

お国によって、騎士の気質、資質は、異なるの。

騎士に賄賂が必須の国は、賄賂で上から下まで潤うお国柄だったりするの。

一介の騎士が受け取る賄賂よりも大きな額を上の者が受け取っているから、騎士が賄賂を受け取ることを誰も咎めない、そういう国もあるの。

賄賂が必須の国では、賄賂の受け取り方がスマートであることも、騎士の資質として必要なの。

コーハ王国の騎士学校は、コーハ王国の騎士を養成する国の教育機関なの。

コーハ王国ではない騎士の資質を備えている学生がいることは、異様なの。

工作員か、洗脳されたか。

疑わしさ満杯なの。

「誰もかれもが、貴族みたいに強いと思わないでください。

私達は、か弱い平民なんです。

か弱い平民は、貴族に逆らえないんです。

近衛で貴族だというなら、問題児の貴族令嬢を、か弱い平民に押し付けた責任をとってください。」
と女子学生。

か弱い、の定義が、ボクの知らないうちに変更されているのかしら。

「キミ、ボク達は近衛なの。
ボク達に堂々と異論を唱えている平民が、貴族を怖いとは、どういう了見かしら。」

「上手に取り繕ったつもりでしょうけれど、全部無駄です。
私達は、知っているんです。」
と女子学生は、ニヤッと笑ったの。

「今日、騎士学校に来た6人いる近衛のうち、半分は、男爵家。

残り半分は、平民の血を引いているんだって。

あなた達が、貴族なら、そこのお嬢様も貴族令嬢になりますよね?

私達は、何も間違っていません。

あなたが、貴族の力で、私達を騎士にさせないというなら、貴族の力で男を侍らせていた、貴族のお嬢様としていることは同じです。

私達は、横暴な貴族に怯えて、従わされていた、か弱いだけの平民です。」
と女子学生は、誇らしげに周りを見回したの。

女子学生が、周りを見回すのにあわせて、拍手喝采が広がっていくの。

拍手喝采を浴びる女子学生は、頬を紅潮させているの。

今の発言をした女子学生は、質問をした男子学生の近くにいた女子学生なの。

怨霊と傘妖怪が、異世界転生者だと指摘した女子学生と、この発言をした女子学生は別人なの。

生粋の平民で、異世界転生者の女子学生は、周りと一緒になって拍手喝采しているの。

生粋の平民の女子学生が、異世界転生者だと事前に知らなければ、見つけられないくらいに、周りに溶け込んでいるの。

でも、件の女子学生が、既に問題を起こしている異世界転生者だと知っているボクは、見逃さなかったの。

件の女子学生の口元が、声を出さずに動いていたことに。
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