フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1241.人外として異世界転移し、怨霊になってしまったと気づいた異世界転移者は、騎士学校で、見守りを始めたの。

「キミは、異世界転移してきたけれど、怨霊化してから、異世界転生者を発見して、他の人に知らせたのかしら？

その行動に、理由はあるかしら？」

怨霊は、懐かしそうな顔をしたの。

「俺の住まいに、やってくる子どもの顔ぶれは、毎年少しずつ入れ替わるんだけど、どの子も、真剣に人生を考えているんだ。」
と怨霊。

怨霊は、騎士学校を住まいだと思っているから、騎士学校に磁場が発生したのかしら。

「中学生くらいの子どもが、中学を卒業したら、一人前に働こうと、毎日勉強や訓練に励んでいる。

そういうのを見ていたら、応援してやりたくなった。」
と怨霊。

怨霊の姿は、5歳児くらいなの。

10代の子どもを見守る5歳児と傘妖怪。

傘妖怪は、子どもが持ちやすい大きさの傘なの。

「ここは、将来就きたいお仕事があって、その仕事に就くために学びたい、平民の子どもが通う場所なの。」

傘妖怪は、ぴょんぴょん、跳びはね始めたの。

傘妖怪の方が、怨霊より幼いのかしら？

「そうか。うん。

学校に通う真剣さが、俺の経験とは違ったから、異世界の子どもは真面目なんだと思っていたんだ。」
と怨霊。

「この場所に通う子どもは、成人後、国に仕えたいと考えている子どもだから、不真面目ではないの。」

騎士学校だもの。

「俺と傘妖怪は、なりたいもののために、毎日真剣に生きている子どもを見守ることが日課になっていた。」
と怨霊。

「見守っていた！」
と傘妖怪。

「今年の新入生が入ってきてから、おかしくなる子どもが増えた。

子ども達だけじゃなく、大人もおかしくなっていく人が増えていく。

最初は、厨二病が蔓延していくのかと思って、笑って見ていた。

見ていて気づいたんだ。

異世界転生者が、中心にいることに。」
と怨霊。

「いることに！」
と傘妖怪。

「異世界転生者を中心に厨二病を発症しているんじゃない、異世界転生者が周りを引っ掻き回していて、真面目に生きたい子どもの人生を狂わせている、と俺は気づいた。

俺は、校長に身元を明かして、異世界転生者をどうにかしろ、と迫った。」
と怨霊。

「キミが、校長に？」

怨霊は、騎士学校の守り神を目指しているのかしら。

ボクは、騎士学校の校長を見る。

騎士学校の校長は、頷いたの。

「騎士学校の校長が言うには、手を出せない相手が、その学生のバックについているせいで、手をこまねいている、と。

迷惑をかけている異世界転生者の学生が、お咎めなしだと知った俺は。

俺の住まいに通う子どもを守るために、強い神になることにした。」
と怨霊。

合点がいったの。

「強い神になるために、ボクに挑もうとしたのかしら？」

意気込みは、立派なの。

ボクに挑むのは、身の程知らずだけども。