フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1237.ボクのネガティブキャンペーンに踊っている者と踊らされている者の中に、貴族の血をひく者は、どれほどいるかしら?

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サブリーとレイモンドが、案内役と部屋を出たの。

「部屋の準備と人の準備が整うまで、騎士学校の状況を報告するの。」

ボク、ユージュアル、ダンシェル、ロウウェルは、ふむふむと、校長の話を聞いたの。

ボクがダンシェルから聞いた話と比較してみても、大筋に差異はないの。

プラスアルファで、上乗せされた分はあるけれど。

「ボクのネガティブキャンペーンに積極的だったり、影響をうけている学生や教職員のうち、貴族の血をひいている者は、どのぐらいいるかしら?」

「過半数よりは、多くいます。」
と騎士学校の校長。

「貴族の血を引く者の何割が、噂に踊らされていたり、自ら踊っているかしら?」

「過半数以上です。」
と騎士学校の校長。

ボクやガランについて、コーハ王国の平民は、基本的に、知る機会も接点もないの。

ボクもガランも、コーハ王国の平民と関わることは、基本的にないもの。

ボクの名前や、ガランという家について、平民が噂にすることが、コーハ王国では、そもそも、起こり得ない事態なの。

知らないボクのことを、平民が噂することの不可解さ。

ボクの噂をするくらいなら、王家の噂をしている方が、不思議ではないの。

平民が、生活に関わりのないものの噂話に興じるのは、異様なの。

それは、まるで、貴族の社交なの。

平民の騎士学校の学生に端を発した噂が、騎士学校内や、騎士の一部に広まるだけなら、噂は、しょせん、平民が作った噂だと言えるの。

でも。

貴族子弟のダンシェル、ロウウェル、レイモンドが聞いた噂と平民の騎士学校の学生の間にある噂に相違点が少ないということは、確定。

平民の騎士学校の学生が流した噂には、貴族がかんでいるの。

平民の騎士学校を発祥の地にしているけれど、騎士学校の教職員や学生が噂に踊らせられているのは、この騒動のオマケなの。

噂が貴族社会に広がることが、この騒動を引き起こした黒幕の目的なの。

代々、ガランは、騎士学校とは無縁で、国内の貴族とは積極的に交流してこなかったの。

だから、黒幕は、噂を広げるための媒体として、騎士学校を使ったと、ボクは、にらんでいるの。

貴族の血をひく平民のうち、噂に踊らされなかった者がいるのは、その者の貴族との関わり方や、本人の性格、資質、環境によると思うの。

平民でも、貴族でも、噂に踊らされる者は、繁栄しない者なの。

落ちぶれると決まっている者の息の根を止めるのは、簡単だけど、騎士学校は、それを躊躇していた。

なぜかしら?
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