フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1231.サブリーとユージュアルの安全のために、口説いていいというお墨付きをボクが出すの。デヒルお兄さまは『妹の結婚までは抱くな。』と。

「ユージュアルの言ってほしいことは、あながち、外れてはいない。
言うなれば、俺達のは、ユージュアルに対する独占欲？」
とバージニ。

「俺達よりもユージュアルを可愛がっていない男がユージュアルの周りをうろつくのを黙って見ていたくない。」
とアラン。

「その独占欲に、恋愛感情は含まれないよなあ？」　
とユージュアル。

「今のところは。」
とバージニ。

「不安になる答えなんだけど？」
とユージュアル。

「今はなくても、これからは分からないだろう？」
とバージニ。

「ユージュアルを口説くことは決めたから、時間とともに気持ちがついてくることもある。」
とアラン。

「口説くと決めなくても良かったんじゃないのかなあ？」
とユージュアル。

「俺達は、ユージュアルが狙われ放題になるのを知っていて、何もしないでいるつもりはない。」
とアラン。

「俺達以外が、ユージュアルに近づけないように、2人でユージュアルを挟んでおくことにした。」
とバージニ。

「そもそも、俺の争奪戦って、なんなんだよ。」
とユージュアルは、天井を仰いだの。

それについては、ボク、この場で、言っておきたいことがあるの。

「サブリーとユージュアルに恋人をあてがおうとするコーハ王国内の動きを、ボクは許していないの。

今日の貴族学校の学生のように、力づくで、ことに及ぼうとする者が増えるのは目障りなの。

サブリーとユージュアルの安全にボクは気を配りたいの。」

「「フィリス。」」
とサブリーとユージュアルがボクを見たの。

ボクは、2人に頷いたの。

「サブリー争奪戦には、近衛別働隊幹部のリッチェルが参戦するの。

アランとバージニは、ユージュアル争奪戦に参戦するの。

リッチェルとアランとバージニは、サブリーとユージュアルから、絶大な信頼を寄せられて、他の誰も、サブリーとユージュアルに構えないようになるの。」

「サブリーとユージュアルの安全のためにか。」
とデヒルお兄様。

「デヒルお兄様。サブリーもユージュアルも、ボクと同じで、簡単に抱っこされてしまいますもの。

2人が、誘拐されないように対策しますの。

リッチェル、アラン、バージニは、サブリーとユージュアルに口説く許可をボクから与えて、他の者とは差をつけておきますの。」

ボクはデヒルお兄様に意図するところを説明したの。

「俺からもリッチェル、アラン、バージニに伝えておく。

サブリー本人とユージュアル本人の意に添わない身体的な接触はするな。」
とデヒルお兄様。

サブリーとユージュアルが、感謝のこもった目でデヒルお兄様を見ているの。

ボク、失敗したの。

ボクが、身体的接触の項目について、話していなかったから、デヒルお兄様が、付け加えてくださったの。

ボク、次からは、身体的接触についても、言葉にするの。

デヒルお兄様は、サブリーとユージュアルではなく、リッチェル、アラン、バージニに向かって話し続けたの。

「肉体関係を持つのは、サブリーとユージュアルが、素面で望んでからにしろ。

サブリーの妹とユージュアルの妹が結婚するまで、触れ合うまではいいが、抱くな。」
とデヒルお兄様。

「「「かしこまりました。寛大な判断、いたみいります。」」」
とリッチェル、アラン、バージニ。

「「え？いつか抱かれる前提になった？」」

サブリーとユージュアルは、ボクの隣で震え上がったの。