フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1232.最年少学生の公爵子息が、ボクにエスコートの先生を望んだの。ボクを先生にしたいなんて、見る目があるの。1回くらいなら付き合っても?

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ボク、慌てないの。

ボクは、大人の余裕というものがあるの。

どんと構えるの。

「キミ、自分自身の年齢を忘れていないかしら?

ボクは、キミより十歳年上なの。

大人の男なの、ボク。」

「十歳差といっても、私の成人までは、あと2年です。

2年経てば、私は夜会でフィリスをエスコートできます。」
と最年少学生の公爵子息。

どうしてか、負けた気分になるの、ボク。

「エスコートは、間に合っているの。」

「フィリスが、ジーンにエスコートされて夜会に参加したことは知っています。

でも、それは、フィリスが私のエスコートを断る理由にはなりません。」
と最年少学生の公爵子息。

「どうしてかしら?」

「私が、フィリスをエスコートすると決めました。」
と最年少学生の公爵子息。

決めました、じゃないの。

ニコニコしながら、何を言っているのかしら。

落ち着いて考えるの、ボク。

「それは、つまり、成人後の夜会で一度、エスコートを経験したいという、エスコート練習の依頼かしら?」

さあ、はい、と言うの。

はい、以外の答えは、聞かないの、ボク。

「フィリスは、私のエスコート練習に付き合ってくれますか?

フィリスが練習に付き合ってくれるなら、心強いです。」
と最年少学生の公爵子息。

最年少学生の公爵子息は、見込みがあるの。

「ボクは、エスコートする方も、される方も、上手なの。
ボクに、教えてほしいなんて、キミは、先生選びが上手なの。」

「次のお茶会に、私は、フィリスをエスコートして参加します。

このあと、招待状を送ります。

ガラン王都邸に、使者を遣わします。」
と最年少学生の公爵子息。

お茶会?

次のお茶会?

ボク達、お茶会の話なんて、したかしら。

招待状?

使者?

喫緊の話かしら。

「待つの。

ボク、キミのお茶会に行く話はしていないの。」

「フィリスは、私の先生として、エスコートの練習をすることになります。」
と最年少の公爵子息。

ならないの。

「ボクは、キミの先生には。」

ボクは、最年少学生の公爵子息の、エスコートを教える先生にはならない、と言おうとしたの。

でも、その前に、最年少学生の公爵子息は、ニコニコとボクに、エサを差し出したの。

「私は、フィリスに打ち解けてほしいんです。

フィリスは、第2王子派閥と第3王子派閥に、私と出入りしたくありませんか?

私と一緒にいるフィリスは、第2王子派閥と第3王子派閥に顔パスで入れます。」
と最年少学生の公爵子息。

う。

断れないの。

ボクにとって、魅力的なお誘いだもの。

ボク、第2王子派閥と第3王子派閥に物申す予定だったけれど、顔繋ぎできる人がいなかったの。

公爵子息と一緒なら、乗り込んでも、無敵なの。

「招待状を送る前に、日時と場所をボクに今、話すの。
ボクは、ボクのスケジュールを調整するの。」
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