フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1217.後ろに隠れていた男女の学生と自称神様との会話は、異世界転生者である男女の学生の前世に都合のよい話しかしていないの。

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後ろに隠れていた女子学生は、熱に浮かされているかのように話すの。

「私達は、歴史研究家と話しながら、異世界転生してきて、ヒーローとして与えられた私達の使命が何だったのか、をはっきりと自覚した。

神様は、私達を特別な存在だと言った。」
と後ろに隠れていた女子学生。

神様?

この世界の神様は、人におべっかを使わないの。

後ろに隠れていた男女の学生が前世で会った自称神様は、異世界転生者の願望を読み取り、口にしたのかしら?

自称神様を捕まえた方がいいかしら?

ボクは、自称神様についての問いかけを後回しにしたの。

自白を中断させない方が、犯人の傾向が分かるの。

「俺達の使命について、神様は、何も話さなかったから、俺達に使命があると、俺達は考えていなかった。

俺達が生きたいように生きていけばいい、としか、俺達は、神様から聞いていなかった。」
と後ろに隠れていた男子学生。

後ろに隠れていた男女の学生は、己が異世界転生者であることに自信を持てないでいたのかしら。

自称神様が、使命について話さない理由も見当がつくの。

異世界転生者に使命はないということは、この世界に生きたことがある者には、周知の事実。

自称神様は、ないことをあるとは言えなかった、ということかしら?

自称神様は、嘘を付くことができないのかしら?

それとも。

自称神様と出会った当時、後ろに隠れていた男女の学生が、使命を全うすることを望んでいなかったから、自称神様は口にしなかったのかしら。

「『新しい人生を楽しむことこそ、異世界転生者として生まれた意味がある。』

神様に、そう聞いた俺達は、異世界転生者だと自覚した日から、やりたいことを我慢しないようにした。」
と後ろに隠れていた男子学生。

後ろに隠れていた男女の学生は、前世で、自称神様と出会うまで、鬱憤を溜め込んでいたのかしら。

自称神様は、後ろに隠れていた男女の学生の欲望を肯定しているだけなの。

後ろに隠れていた男女の学生は、欲望のまま生きることが後ろめたくて、絶対的だと信じている存在に肯定して欲しかったのかしら。

神様のお告げを免罪符にして、この世界で好き放題することにした、と聞こえるの。

異世界転生したことによる不安を解消したかったという思いが、根底にあるのかしら。

自称神様は、異世界転生者の欲望を肯定することで、どのような効果を期待したのかしら?

それとも、何も考えていないのかしら?

自称神様は、後ろに隠れていた男女の学生の白昼夢で、存在していない、ということはあるかしら?
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