フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1187.ボクは、無策で動いたりはしないの。何もしていないように見えるのは、ボクの余裕がなせるわざなの。ボクは、処刑用の剣を受け取ったの。

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見たことがない魔導具は、起動しただけで、何も起こさなかったの。

「え?故障した?おい、動け、動けってば。」
と後ろに隠れていた女子学生が、魔導具を上下に振っているの。

後ろに隠れていた男子学生は、後ろに隠れていた女子学生の手を止めて、魔導具をチェックしたの。

「スイッチは入っている。」

後ろに隠れていた男子学生は、困惑しながら、魔導具をひっくり返しては、トントンと軽く叩いて、様子を見るのを繰り返したの。

ふふん。

ボクが、何の手も打たないと思っていたら、大まちがいなの。

後ろに隠れていた男女の学生が、ユージュアルをどうにかしようとする腹立たしい会話をしている間に。

ボクは、サブリーに合図をしたの。

サブリーは、後ろに隠れていた男女の学生より先に、持っている魔導具を起動していたの。

ユージュアルが処刑用の剣を持っていることを、後ろに隠れていた男女の学生は理解できでいないの。

忘れている、などではなく。

後ろに隠れていた男女の学生には、自分達が今にも処刑されそうになっている自覚がないの。

2人は、ハイゾに渡されたであろう魔導具が正常に働かないことにしか意識が向いていないの。

こういう状況でも、型通りの台詞は、言っておくの。

「近衛別働隊総司令フィリス・ガランの捜査に反抗的かつ非協力的な態度を取り続けた。

くわえて、総司令補佐のユージュアル・ノアに危害を加える意思を明示し、魔導具を起動した。

以上から、処刑は、即時執行とする。」

「うるさい。黙れ。いきなり、演説?ハア?」
と後ろに隠れていた女子学生。

「外野には黙っていてもらえないと、うるさくて集中力が続かない。」
と後ろに隠れていた男子学生。

「キミ達の罪を明確にしたの。

今日の立ち会いはなし。」

「立ち会いは、ゼロ名。
続いて、刑の執行にうつります。」
とサブリー。

「2名共に、死刑に処す。」
とサブリー。

後ろに隠れていた男子学生が魔導具をいじるのを見ていた女子学生は、顔を上げてボクとサブリーの方へ、顔を向けたの。

「うるさいって言ってるのが、聞こえないのか、黙れ!」
と後ろに隠れていた女子学生。

ボクは、ユージュアルから、処刑用の剣を受け取ったの。

近衛別働隊総司令は、ボクだから、ユージュアルは、ボクに剣を渡すの。

「空間から出した剣なのに、出した本人以外も触れている!」
と後ろに隠れていた女子学生が、叫んだの。

後ろに隠れていた男子学生は、魔導具から顔を上げて、ボクが剣を持っているのを見たの。

「奪い取れ!」
と後ろに隠れていた男子学生。

「もちろん!」
と後ろに隠れていた女子学生。

後ろに隠れていた女子学生は、持っていた魔導具を起動させたの。

「こっちも動かない。スイッチは入るのに。」
と後ろに隠れていた女子学生は、魔導具をふりふりしているの。

魔導具を手に持っている状態なら、手っ取り早いの。

ボクは動くの。

「回収。」
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