フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1184.ハイゾは、婿入りした侯爵子息。人造人間の女子学生の生物学上の父親なの。ユージュアルが、男女の学生を魔法で拘束しようとしたところ？

後ろに隠れていた男子学生は、得意げに話し始めたの。

「そこから教えないとダメな感じ？

ハイゾさんは、侯爵家の末っ子。

侯爵家がノリにノッているのは、侯爵家の宝箱と言われているハイゾさんがいるから。」
と後ろに隠れていた男子学生。

「ハイゾさん、という方は、キミの話にどう関係してくるのかしら？」

「ハイゾさんが、俺達を引き立ててくれた。

ハイゾさんは、侯爵家の末っ子でありながら、伯爵家当主の婿。

さっきまで、お兄さんが話していたヘタレのお父さんが、ハイゾさん。」

後ろに隠れていた男子学生は、上から他人を見下ろす話し方なの。

後ろに隠れていた男子学生は、自身の偉いところをどこに隠したのかしら。

偉いところがあるなら、常に携帯している方が、周りに親切なの。

ボク、後ろに隠れていた男子学生から、少しも偉さが感じられないもの。

ボクが取り調べをしていた男子学生の父親がハイゾ。

人造人間の女子学生の生物学上の父親の名前が、ハイゾ、ということになるの。

ボクが取り調べをしていた男子学生の父親は、婿入り先でできた息子に、実家の分家の子どもを引き合わせて、張り付かせているの。

何がしたいのかしら。

ハイゾが侯爵家の宝箱と言われているなら、婿養子に出さないという選択肢もあったと思うの。

婿養子に行って、実家に入り浸る婿。

ボクが取り調べに呼んだ男子学生は、父と呼びながら父親に思い入れがないの。

「ボクには、ハイゾが、侯爵家の宝箱という意味が分からないの。
お腹の中に宝箱が埋まっているのかしら？」

「お兄さん、素直だね。ハハ。」

後ろに隠れていた男子学生は、楽しそうに笑うの。

「素直というより、馬鹿なだけじゃん。

ハイゾさんを知らないなんて、無知もいいところ。　

無知なのは、自分じゃん。」

後ろに隠れていた女子学生が、ボクを馬鹿呼ばわりしているの。

「侯爵子息のハイゾが宝箱の説明がまだなの。」

「ハイゾさんを知らない人にわざわざ説明してやるのもなんだかな。

可愛くお願いしたら、教えてやろうか。」
と後ろに隠れていた男子学生は、ニヤニヤしだしたの。

「可愛く？惨めったらしくにしなよ。」
と後ろに隠れていた女子学生。

「ボクの取り調べに非協力的な態度は感心しないの。」

「どこが、どう感心しないのか、感心しないなら、どうするのか、教えてー？」
と後ろに隠れていた女子学生。

ボクは、ユージュアルとサブリーに合図をしたの。

ユージュアルが動いたら、サブリーが魔導具でフォローなの。

ユージュアルは、男女の学生を拘束する魔法を使ったの。

一般的で平易な魔法。

魔法を使わない相手には効果があるの。

「バチバチっときたなあ。2人同時に魔法を跳ね返してきた。」
とユージュアル。

跳ね返された魔法は、ユージュアルが無効化しているから、害はないの。

「男女共に、魔導具を使用した反応がある。」
とサブリー。

「もう、見抜かれた。意外にやるんだ？」
と後ろに隠れていた男子学生。

「ハイゾさんに守られている私達を捕まえることなんてできない。

悔しい？ねえ、悔しい？」

後ろに隠れていた女子学生は、ふんぞり返ったの。

男女の学生ではなく、ハイゾが何かをした。

魔導具を持たせた、ということかしら。