フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1177.取り調べ予定の男子学生は、変化なし組なの。諦観した様子を見せる男子学生。男子学生が従えていた男女の学生は元気いっぱいなの。

ボクは、取り調べ予定の男子学生の顔を確認したの。

取り調べ予定の学生は、変化なし、だったの。

こうなることを予想していたのかしら？

男子学生からは、諦観の念を感じるの。

「ボクが、取り調べをすると告げた男子学生は、今の場所から、8歩、ボクに向かって標準的な歩幅で進んでから、その場に直立不動を維持するの。」

ボクが指示すると、男子学生は、素直に従ったの。

負けが確定したことを確認し、命をとられると理解して、抵抗する気力をなくした人間のようなの。

最初は、威勢よく話していたけれど、大人しくなっているということは、男子学生の家は、言い逃れができないほど深く関わっているということなの。

「キミの父親は、第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない、人造人間の女子学生の生物学上の両親の1人かしら？」

ボクが質問を投げかけると、男子学生は、諦めきった顔で答えたの。

「分かりますか？私の父に相違ありません。」
と男子学生。

「キミの家は、低位貴族ではないのではないかしら？
最初に発言したときは、キミ、後ろに男女一人ずつ従えていたもの。」

男子学生の後ろにいた男女の学生が、ひいっと、揃って声をあげたの。

「覚えられている。どうしよう？」
と後ろにいた男子学生。

「知らぬ存ぜぬしかないわ。」
と後ろにいた女子学生。

「程度の低い手下なの。」

貴族学校の学生が、これでいいのか、と誰も疑問を呈さなかった結果が今なの。

手の尽くしようがないなら、早めに手をうてたことを前向きに喜ぶの。

「程度が低いって？失礼しちゃう。」
と後ろにいた女子学生。

「せっかく強そうな人の後ろにいたのに、覇気がなくなっている。あれは、ダメだ。」
と後ろにいた男子学生。

「栄華は長く続かないって言うもの。仕方ないわ。」
と後ろにいた女子学生。

ボクが取り調べに呼んだ男子学生本人に確認しておくの。

「キミの意思で選んだのかしら？」

「私ではなく、父の意思です。」
とボクが取り調べに呼んだ男子学生。

「私達を売る気？御生憎様。
私達は悪いことなんかしていないわ。」
と後ろに隠れていた女子学生。

後ろに隠れていた女子学生は、意味有りげに笑っているの。

「キミは、悪いことをしていた人を知っているのかしら？」

秘密を知っているとチラつかせるくらいなら、速やかに話すといいの。

後ろにいた女子学生は、ボクの問いかけに対して、冗談じゃない、と吐き捨てたの。

「知っていたとしても、あなたには言わない。

あなたに話をしても、無駄だから。

もっと上の人になら話してもいいわ。

私の身の安全を保証して守ってくれるのが、最低条件。

私は今の身分に納得していないの。

グルリダ・ローバウルは、もうダメなんでしょ？

グルリダ・ローバウルの代わりに私を公爵令嬢にしてよ。」
と後ろにいた女子学生。

斜め上の要求なの。