フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1174.国家機密を知ってしまったら、どうなるか？貴族の生きる道は、一つなの。

ボクは、第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生に現実を突きつけたの。

「生物学上の母親が出産という形で、キミを産み落としたから、キミは、コーハ王国の貴族令嬢として生を受けたの。

ボクは、キミが話すのを見て、キミと話をしていて、気づいたの。

キミの思考は、グルリダ・ローバウルの思考を移したようにそっくりなの。

キミの知識は、グルリダ・ローバウルの偏った知識の一部以外を受け付けないの。

この意味が理解できるかしら？」

「私は、グルリダのコピー？」
と女子学生。

「キミは、グルリダ・ローバウルの下位互換なの。

キミは、グルリダ・ローバウルが、グルリダ・ローバウルのために作った人造人間なの。」

「下位互換の人造人間？SF？ファンタジーな異世界に？」
と混乱している女子学生。

女子学生が、考え込んでいる間に、ボクは、他の人に告げたの。

「ボク、サブリー、ユージュアル以外の者に告ぐ。

この部屋の中で、今までの話を聞いてきた者。

汝らは、ローバウル公爵家の嫡女、グルリダ・ローバウルがおかした罪を知る者なり。

心得よ。

ローバウル公爵家の秘密は国の機密。

ゆめゆめ、もらすことはならぬ。」

秘密をもらしたら、一族郎党、おいでおいで、されていなくなるの。

「話さない。話せない。話すわけにはいかないわ。こんな話、誰にも。
知っていると知られたら、生きていけない。」
と女性担当者。

「キミ達全員、女性担当者も学生も、今まで通りには、生きていけないの。

キミ達の生き方は、一つ。

グルリダ・ローバウルの罪と、ローバウル公爵家の機密を知ったキミ達は、この問題に一生関わっていくの。」

今の担当とローバウル公爵家の使用人は、買収されているか、洗脳されているか、節穴で見抜けない人が多数の可能性が高いの。

公爵家も、国の担当部署も、人員の入れ替えが急務なの。

成人済みの女性担当者と、卒業が近い学生から順に、投入していくの。

「ありえません。私は、他派閥の伯爵家です。」
と女性担当者。

「国家機密が優先されるの。

今のローバウル公爵家とローバウル公爵家を担当する部署には、グルリダ・ローバウルだけではなく、問題を抱えていることが、よく分かったの。

キミ達は、全員、ローバウル公爵家の内部と、ローバウル公爵家を担当する部署に配属されるために、頑張るの。

国家機密が漏洩することを防ぎ、国を守るために。」

女性担当者は、ボクの言っていることの表と裏を理解して、黙ったの。

「そんな曰く付きの職場なんて行きたくない。」

「将来はもう決まっているのに！変えたくない！」

「婚約は？結婚は？」

「人生を潰されるなんて嫌！」

一部の学生が、ざわざわしているの。

「キミ達には、貴族の自覚がないのかしら？」

グルリダ・ローバウルの影響かしら。
それ以外からの影響かしら。

学生と話をするの。