フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1173.異世界転生者として生まれたモルリダーラ王女は、グルリダ・ローバウルとして、同じ世界の同じ国の未来に生まれ直し、罪をおかしたの。

ボクの告げた言葉に、第2王子派閥にも第3王子派閥にも所属しない女子学生は、えっ？えっ？と意味のない言葉を漏らしているの。

「キミは、グルリダ・ローバウルが作った人造人間なの。

グルリダ・ローバウルの前世、モルリダーラ王女は、異世界から持ち込んだ感覚と、この世界の魔法を組み合わせる方法を使い、男女の交合を行わないで子どもを作って産む研究をしたの。

モルリダーラ王女の前世は、人体の専門家ではなかったようなの。

モルリダーラ王女の編み出した技術は、モルリダーラ王女自身が分からないところを魔法で有耶無耶にしていたの。

モルリダーラ王女の編み出した技術は、人体への安全性を疑問視され、発覚後は封印されているの。」

「封印？でも、私は存在している。」
と女子学生。

「封印というのは、技術を使用することを禁じた、という意味なの。」

「私には、禁止されている技術が使われている？」
と女子学生は、青ざめたの。

「そうなの。

現在、ローバウル公爵家の家業としている事業に、モルリダーラ王女の技術は、一切、使われていないの。

仮に、着想を得た部分はあったとしても、モルリダーラ王女の編み出した技術では、人体を生み出すのに適さない、と国は判断したの。

その判断は、モルリダーラ王女が、その技術を編み出してから、変更されていないの。

モルリダーラ王女自身が編み出した技術は、継承者がいなかったの。

モルリダーラ王女にしか理解できない方法で編み出されたために、技術が流出することはなかったの。

モルリダーラ王女の死と共に、モルリダーラ王女の編み出した技術は、失伝していたの。

それで、問題がなかったの。

これまでは。」

「私は、これから、どうすれば。」
と女子学生。

どうするもこうするも、女子学生に未来はないの。

「キミに生物学上の両親がいるということは。

グルリダ・ローバウルが。生物学上の両親の血肉を使用したか、両親の存在を利用したかなの。

グルリダ・ローバウルの年齢なら、協力者が不可欠なの。

キミに親切だった、印象に残らない女、のような。」

「あの人は、いい人だから。私には悪い人じゃなかった！」
と女子学生は、激昂したの。

女子学生は、印象の薄い女を庇うけれども。

「印象の薄い女は、キミが庇うようなことをしていないの。

グルリダ・ローバウルと一緒になって、キミを作ること手を貸している可能性が高いの。」

「グルリダが脅した！」
と女子学生。

「グルリダ・ローバウルの年齢を鑑みるに。

キミが生まれる前には、成人している人物で。

グルリダ・ローバウルの目的の実現のために、キミの生物学上の両親と接触しても怪しまれないような人物で。

ローバウル公爵家の嫡女であるグルリダ・ローバウルが幼少期から接点を持つことが容認されるような人物の協力が必至なの。」

「あの人が、有罪だっていう証拠は？ある？ないに決まっている！」
と女子学生。

「キミは、印象の薄い女を特定できる情報を出すの。
情報がなければ、あの人の疑いを晴らしようがないの。」

「疑わしきは、罰せず！」
と女子学生。

女子学生の主義主張は、おいておくの。

まだ、誰も罰を与えられていないもの。

これから、罪を裁かれる者は出てくるけども。