フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
1,165 / 1,437
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1166.第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生に影響を与えていた人物が、グルリダ・ローバウル以外にもいる、と女子学生が!

しおりを挟む
ボクが、第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生と断続的な会話をする中で、初めて、ボクの言葉が女子学生に響いたの。

耳に入ってくる音は、全て、うるさい羽音だと、周りの声を遮断してきた女子学生は、自分自身について考えたとき、肩書きや属性以外の情報が、空っぽだと気付いたの。

肩書きや属性の判断して、この人は、こんな人と決めるのは、第三者がすること。

本人が、肩書きを考えたなら、それは、自称。

女子学生自身の情報のうち、自身の内側から湧き上がってくる情報がなかったの。

女子学生自身で作り上げてきたものが、女子学生の内側にはないの。

女子学生は、自分自身の内側が、空っぽなことに困惑したの。

困惑するという感情に、女子学生の思考が揺さぶられているの。

女子学生の中に、困惑するという感情が、今までなかったんじゃないかしら。

女子学生の感情には偏りがあるの。

女子学生の内面のうち、穏やかさ、明るさ、陽気さ、弱さが主成分に含まれる感情が乏しいの。

その反面。

怒りや嫌悪、不機嫌、といった感情は、過剰に発露していたの。

思考に制限を受けてきたのかしら。

思考の誘導はされてきたように思えるの。

女子学生の思考が、正の感情を引き出す思考をなくし、負の感情を増大させる思考一辺倒になるように。

女子学生のことを大切に育てようと考えていたら、女子学生が孤立無援の四面楚歌に陥るのが間違いなしの育て方をするかしら。

女子学生は、まだ成人前の学生の身分でありながら、お先真っ暗なの。

貴族令嬢として、この世に生を受けたにも関わらず、本人の言動に問題があり過ぎた上に、自身で改める努力を放棄するばかりか、反発して反抗したの。

女子学生は、自身のせいで家族と良好な関係を作ることに失敗しただけでなく、家族以外との交流も持てていないの。

女子学生は、貴族学校に貴族令嬢として在籍しながら、成人前して、既に、貴族社会に居場所を作ることに失敗しているの。

女子学生が頼りにできるのは、この世で、グルリダ・ローバウル、ただ一人。

女子学生は利用されているようにしか思えないの。

女子学生が生まれてから、利用すると決めたのかしら?

最初から、利用するために女子学生を生ませたのかしら?

貴族学校内では、女子学生の異様さが目立っているんじゃないかしら。

ボクが目にしたグルリダ・ローバウルの奇行が、霞むくらいに。

「グルリダは、その人のことは信じていいって。その人は、ずっと前から頼りになる人だって。私達のためにいるような人だって言っていた。

私達がいきていくために、その人は、迷わず力を貸してくれる。
その人の力は全部、私達が後腐れなく使えるもの。

私達のためにいるような人だから、その人のことは思う存分使っていい。

見返りなんて、その人は絶対に要求してこない。

なぜなら、私達に尽くし尽くすことがその人の生きる意味だって。

その人がいたら、私達が不自由することはないって。

その人は、私が生まれてから、私にずっと親切にしてくれている。

私といても、ずっと、態度が変わらない、この世界で唯一の人。

グルリダだって、途中で、私の相手をしたくないって逃げるのに。

その人は、グルリダよりも、私に親身になって、側にいてくれる。」
と女子学生。

「その人、というのは、グルリダ様の側に控えている印象に残りにくい女のことか?」
と、養女の女子学生に問う男性担当者。

女子学生は、自身の発言の意味するところに気づいていないの。

グルリダ・ローバウルについて暴露していることに。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。

イコ
BL
魔族と戦争を繰り広げている王国は、人材不足のために勇者召喚を行なった。 力ある勇者たちは優遇され、巻き込まれた主人公は追放される。 だが、そんな主人公に優しく声をかけてくれたのは、召喚した側の第五王子様だった。 イケメンの王子様の領地で一緒に領地経営? えっ、男女どっちでも結婚ができる? 頼りになる俺を手放したくないから結婚してほしい? 俺、男と結婚するのか?

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

今世はメシウマ召喚獣

片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。 最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。 ※女の子もゴリゴリ出てきます。 ※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。 ※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。 ※なるべくさくさく更新したい。

某国の皇子、冒険者となる

くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。 転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。 俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために…… 異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。 主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。 ※ BL要素は控えめです。 2020年1月30日(木)完結しました。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

食堂の大聖女様〜転生大聖女は実家の食堂を手伝ってただけなのに、なぜか常連客たちが鬼神のような集団になってるんですが?〜

にゃん小春
ファンタジー
魔獣の影響で陸の孤島と化した村に住む少女、ティリスティアーナ・フリューネス。父は左遷された錬金術師で村の治療薬を作り、母は唯一の食堂を営んでいた。代わり映えのしない毎日だが、いずれこの寒村は終わりを迎えるだろう。そんな危機的状況の中、十五歳になったばかりのティリスティアーナはある不思議な夢を見る。それは、前世の記憶とも思える大聖女の処刑の場面だった。夢を見た後、村に奇跡的な現象が起き始める。ティリスティアーナが作る料理を食べた村の老人たちは若返り、強靭な肉体を取り戻していたのだ。 そして、鬼神のごとく強くなってしまった村人たちは狩られるものから狩るものへと代わり危機的状況を脱して行くことに!? 滅びかけた村は復活の兆しを見せ、ティリスティアーナも自らの正体を少しずつ思い出していく。 しかし、村で始まった異変はやがて自称常識人である今世は静かに暮らしたいと宣うティリスティアーナによって世界全体を巻き込む大きな波となって広がっていくのであった。 2025/1/25(土)HOTランキング1位ありがとうございます!

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

処理中です...