フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1164.逆ハーレムの主人公が2人以上なんてことがあるかしら?2人以上で同じ男の集団を共有するという状態は、逆ハーレムとは言わないの。

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「キミは、何がしたくて、この部屋に、第2王子派閥と第3王子派閥の学生を呼び集めたのかしら。」

「私?私は別に。
いい気味だと思っただけ。私もグルリダ・ローバウルも、何の取り柄もない、苦労知らずの平凡な男がちやほやされて、調子に乗っているのが許せない。

目ざわりなあなたには、早く相応しい姿になってもらわないと。」
と女子学生。

人造人間の女子学生が、ローバウル公爵家の嫡女、グルリダ・ローバウルと同じ思考なのは、グルリダ・ローバウルが影響を与えたと思うの。

ボクについての女子学生の思考は、グルリダ・ローバウルの思考をトレースしたかのようにそっくりなの。

女子学生が生まれてからか、生まれてくる前からか。

グルリダ・ローバウルの思考をコピーして、女子学生に貼り付けたのかしら?

「グルリダ・ローバウルとキミは、それぞれ、何がしたいのかしら。」

人造人間の女子学生に、掘り下げて聞いてみるの。

「あなたが逆ハーレムを追い出されて、あなたにお似合いの惨めで目立たない脇役になれるようにする。」
と女子学生は、ボクに対する悪意を隠しもしないの。

ボク、今日まで、人造人間の女子学生との接点はないの。

会ったことがない、無関係な人間に憎しみしか持てなくなる心理状態。

コピーして貼り付けたのじゃなければ、洗脳教育の賜物じゃないかしら。

「それだけかしら?」

「あなたがクビになった後の逆ハーレムは、もらってあげる。」
と女子学生。

肝心なところに切り込むの。

「ボクの逆ハーレムを欲しがっているのは、キミとグルリダ・ローバウルのどちらかしら?」

「は?」
と女子学生は、目を丸くしたの。

「逆ハーレムの主人公は1人。主人公が2人なら、男を共有して、融通しあっているだけなの。複数の男を囲って、用途に合わせて使い回すのは、逆ハーレムとは言わないの。
節操なしの男好きなの。」

「節操ない、とか、あなたに言われたくない。」
と女子学生は、顔を歪めたの。

「ボクの逆ハーレムの男は、全員、誰とも共有していない、ボクだけの男なの。」

ボクは、全員を大切にしているの。

「あなたは、見境がない、性欲お化けだから、男をかき集めて、捕まえた。」
と女子学生は、見下してくるの。

「ボクがイイ男だから、ボクの周りにはイイ男が集まったの。
ボクの逆ハーレムは、捕まった、捕まえられた関係じゃないの。

ボクがいなかったら、逆ハーレムは成り立たないの。

ボクの逆ハーレムは、ボクあってのものなの。

ボクを逆ハーレムの主から引きずり落とすことできないの。

ボクの逆ハーレムを欲しがっているのは、キミとグルリダ・ローバウルのどちらかしら?」
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