フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1162.人造人間の女子学生が居丈高なの。公爵子息への無礼を女性担当者が止めに来たけれど、及び腰なの。女子学生の態度の理由は何かしら?

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第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生は、公爵子息の座っている席まできたの。

「ねえ、ちょっと。」
と第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生は、公爵子息の座っている席の前の机に手をついたの。

公爵子息は無反応。

女子学生が無礼過ぎるあまり、呆気にとられていた女性担当者が歩いてきて、止めに入ったの。

「控えなさい。離れなさい。直接話しかけることは許されていません。」
と女性担当者は、厳しい表情なの。

「うるさい。私は、この子に話しかけているんだから、黙って。
学生同士のなんてことない会話にいちいち口を挟まないで。」
と女子学生は、聞く気がないの。

女子学生は、自分に反応しない公爵子息を前に、苛々を隠さないの。

公爵子息は、女子学生を相手にする気配も、女子学生を回避するために動く気配もないの。

公爵子息は、観察しているの。
この部屋の中の全員の動きを。

派閥内の緩みを調査するのが、公爵子息に課された使命なのかしら。

女子学生は、女性担当者の忠告を無視して、公爵子息の顔に自身の顔を近づけたの。

「聞こえているのに、無視しないで。
私は、私の命を狙う人がいるような部屋にはいたくない。
あの人に、私を部屋から出すように命令して。
公爵家の人なら、色々命令できるって、私は知っている。
公爵家の人が命令したら、貴族は従わないといけないってことも。
やって。
今すぐやって。」
と女子学生。

女子学生は、あの人、というところで、ボクを指さしたの。

公爵子息は、女子学生を無視するのは、変わらず。

部屋の中の学生が、どうしよう、と互いに顔を見合わせているの。

女性担当者は、公爵子息とは派閥が違うの。

女性担当者は、リッチェルの派閥。

公爵子息は、アランの派閥。

学生同士で片付けるなら、公爵子息の同派閥の学生が間に入ってしかるべきところなの。

女子学生のしていることは、異性に対する距離感ではないもの。

階級社会において、公爵子息にする態度でもないの。

女性担当者は、警告したの。

「無礼が過ぎると実力行使を使うことになります。
身の程を弁えて、引き下がりなさい。」
と女性担当者。

本来、階級制では、女子学生へすることは警告ではないの。

最初の事態、女子学生が近づいてくる前に、対処するの。

女子学生を近づけさせないようにするの。

近づかないようにしても、近づこうとしてきたら、排除するものなの。

女性担当者は及び腰なの。

女性担当者は、戦える女性だと思うのだけど。

なぜかしら?

「本気で私に何かできると思っているなんて、思い上がりもいいところ。

この部屋にいる人は、絶対に、私には何もできない。

私に何かしたら、一生後悔するから。」
と女子学生は居丈高。

女子学生の態度には、何か理由があるの。

貴族学校の中がおかしいのかしら?

第2王子派閥と第3王子派閥の内側がおかしいのかしら?

「キミの公爵子息への暴挙を見過ごす方が、後悔する羽目になるものじゃないのかしら。

ボクは、キミが自信満々で、自分の方が優先順位が高いという理由がさっぱり分からないの。

キミ自身に、偉そうにする理由がないもの。」

「私には、グルリダ・ローバウルがついているからよ。」
と女子学生。

女子学生が、ポロっと自供したの。

「グルリダ・ローバウルがついているのが、どうしてキミの優先順位が高くなる理由になるのかしら?」
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