フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

文字の大きさ
上 下
1,154 / 1,440
第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1155.人造人間の製造に関する契約書の文言が怪しいの。真っ当なコーハ王国の貴族が、真っ当な行動を制限されることになった原因じゃないかしら?

しおりを挟む
男性担当者は、自身の養女について語る気になったの。

養女は、ローバウル公爵家の嫡女グルリダ・ローバウル本人ではないもの。

グルリダ・ローバウルに言及しなくても、話すことができるなら、話してしまいたい気持ちがあったの、男性担当者には。

ボクは、男性担当者と話をしていて、男性担当者の口が軽くなる話題かつ、誰かに打ち明けたい秘密は何かを嗅ぎ取ったの。

男性担当者の養女である、第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生の話題が該当するの。

ローバウル公爵家の嫡女、グルリダ・ローバウルについて語ることについて、男性担当者は、まだ抵抗があるようだから、いったん、棚上げするの。

取り調べは、臨機応変が大事なの。

「肉体を損壊しても、通常の人体より、原状回復を高めに設定してあるとは聞いている。

故意による損壊が、他者によるものだった場合、その他者が回復に関する責任を負う。

自壊の場合の回復は、本人と製作者が責任を負う。

製造前に提示された条件は、今も変更されていない。」
と男性担当者。

文言だけを聞くと、器物損壊と同じ条件なの。

花瓶や壺を壊したときには、壊した人が責任持って修理する、もしくは、弁償することになるもの。

人に関する文言にしては、不自然なの。

怪我を負わせた加害者が、怪我させた被害者に責任を持つ設定のように単語を並べているけれど、文言を解釈しようとすると、違和感を覚えるの。

第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生の生物学上の両親と、養親になっている男性担当者と、男性担当者の家が、女子学生を野放しにするという、コーハ王国の貴族として望ましくない行動をした原因があるとしたら?

契約書の文言が、怪しいの。

ボクは、違和感を指摘することにしたの。

「キミの養女に傷を負わせた者は、キミの養女の回復に責任を負うというだけなら、人造人間でなくても、意思のない無機物、工芸品を壊した場合と変わらない条件なの。

真っ当な貴族なら、貴族令嬢が怪我を負った責任を、怪我させた者に負わせるかしら?

真っ当な貴族としての正解は、怪我させた者と、怪我を負わされた貴族令嬢が、二度と接触しないようにするの。

一度、怪我を負わされたなら、事故でもない限り、二度も同じ人物に引き合わせたりしないの。

本人同士での謝罪の場を正式にもうけたのなら、ともかく。

貴族社会では、加害者個人による貴族令嬢本人への贖罪ではなく、貴族令嬢の家と怪我させた者の家同士の交渉で、解決するの。

貴族社会での常識をふまえて、キミの養女がいる現状をかんがみると。

現在、キミの養女が生きているのは、不可解でしかないの。

人造人間であるキミの養女が、工芸品と同等の扱いだったら、キミの養女は、もっと早い段階で、辞世の句を詠んでいるの。

キミの養女の処分に手間取った挙げ句、振り回されることになったのは、契約書が関係しているんじゃないかしら?

契約書の文言の裏にあるのは、何かしら?

何が隠されているのかしら?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました

山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。 ※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。 コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。 ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。 トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。 クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。 シモン・ノアイユ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。 ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。 シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。 〈あらすじ〉  コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。  ジレジレ、すれ違いラブストーリー

新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!

月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。 そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。 新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ―――― 自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。 天啓です! と、アルムは―――― 表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった

今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。 しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。 それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。 一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。 しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。 加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。 レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

勇者召喚に巻き込まれて追放されたのに、どうして王子のお前がついてくる。

イコ
BL
魔族と戦争を繰り広げている王国は、人材不足のために勇者召喚を行なった。 力ある勇者たちは優遇され、巻き込まれた主人公は追放される。 だが、そんな主人公に優しく声をかけてくれたのは、召喚した側の第五王子様だった。 イケメンの王子様の領地で一緒に領地経営? えっ、男女どっちでも結婚ができる? 頼りになる俺を手放したくないから結婚してほしい? 俺、男と結婚するのか?

前世である母国の召喚に巻き込まれた俺

るい
BL
 国の為に戦い、親友と言える者の前で死んだ前世の記憶があった俺は今世で今日も可愛い女の子を口説いていた。しかし何故か気が付けば、前世の母国にその女の子と召喚される。久しぶりの母国に驚くもどうやら俺はお呼びでない者のようで扱いに困った国の者は騎士の方へ面倒を投げた。俺は思った。そう、前世の職場に俺は舞い戻っている。

処理中です...