フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1148.第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生。『私を悪者にして解決しないで。私が生まれたのは、私のせいじゃない。作ったなら。』

男性担当者に聞いてみるの。

「男性担当者に聞くの。
キミの養女の、第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生は、どのように育てられたのかしら？」

ボクが、男性担当者に質問先を変えると。

「私のことなんだから、私に聞いて。その人に聞いても知らないから。」
と、第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生が、割って入ってきたの。

「ボクが、男性担当者に取り調べをしているときに、割って入るなんて、男性担当者の養女は、お行儀が悪いの。

男性担当者は、養女の躾には関与しなかったのかしら。」

「小さいうちから、今のように出来上がっていて、どんなに教育しようとしても、本人が受け付けなかった。

その後。

兄の血を引いていないことが分かり、生物学上の両親の家に引き取りを打診したが、どちらからも良い返事がなかった。

最終的に、どの家に置くのも問題があると、私の元に来た。」
と男性担当者。

「私の個人情報を勝手に話さないで！」
と第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生。

「今の内容は、隠していないのかしら？」

ボクのいる部屋の中。
女子学生は、怒っているけれど、女子学生以外は、感情を揺らしていないの。

「隠していない。誰にも、何も隠す必要がない。」
と男性担当者。

「私を悪者にして解決しないで！

私は悪くない！
都合がいいからと、私に悪を押しつけないで！」
と第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生。

男性担当者は、冷めた目をしているの。

「問題を起こすことしかしない本人が、隠したいと考えていたとは、驚くことばかりだ。

隠したいなら、本人が問題を起こさず、周りから目立たないようにしていれば良かったんだ。」
と男性担当者。

「私は、被害者！
生まれたくて生まれたわけじゃない。

作ったのなら、作った責任がある、ちゃんと愛して！

私を作らなかったら良かったなんて、身勝手な理由は私には関係ない！」
と第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生。

男性担当者は、女子学生が叫び終わるのを待って、話を始めたの。

女子学生の主張が始まると、中断させずに一通り喋り終わるまで待つのが、男性担当者の中で、パターン化しているのかしら。

第2王子派閥と第3王子派閥の学生は、しらーっとした目で女子学生を見ていて、誰も相手にしていないの。

周囲からの拒絶反応を見るに。

女子学生は、居場所を求める方法を間違えて突き進んだのかしら。

要求を突きつけて作った居場所は、突きつけられた側にとって、目にしたくないものになるもの。

周囲にかみついて、もっともっとと要求するばかりでは、人は離れていくの。

離れていかずに、近づいてくる人がいたら、要注意なの。

人の良さそうな表皮の下で舌なめずりしているの。

誰からも疎まれて、誰にも大事にされない、どうなっても気にされない存在は、使い捨てに良さそうな、かっこうの手駒になるの。

「どこにいても、誰とでも問題を起こしてきた。

貴族学校に入学後、サージェ侯爵家の御子息に近づいて、サージェ侯爵家と第4王子派閥の両方から警告があった。

生物学上の両親の家が、それぞれ第2王子派閥と第3王子派閥に所属している関係で、現在、学内では、こちらの学生といることが多いと聞いている。」
と男性担当者。

女子学生が、始終、この調子なら、近づかれた側からの警告は当然なの。

「キミの養女が問題なのは、どのへんかしら？」

何をして、身内サイドの、第2王子派閥と第3王子派閥から、総スカン状態になっているのかしら。