フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1136.第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生の主張、地味で平凡なボクがちやほやされている、は、別の女性の口から最近聞いたの。

「あなたは、若くて世間知らずでか弱い私を犯罪者に仕立て上げて、いいように扱う気ね！

あなたみたいな卑劣漢のスケベ心は、隠し通せないから！

権力を使って犯罪者に仕立て上げて、弱みに付け込んだら、言いなりにする。

モテないヘンタイのやり方なんて、お見通し！

やっと証拠を掴んだ！」

第2王子派閥と第3王子派閥に所属しない女子学生は、一人で歓喜しているの。

「ボク、恋人に困っていないの。」

求婚はされているの。

全く本意ではない結果に繋がったけれど。

意中ではない二人の殿方から。

お一人方は、コーハ王国の第4王子フィリップ殿下。

もうお一人方は、デヒルお兄様と同い年の皇弟殿下。

その方と、ボクの可愛い妹マーゴットとの婚約を公表するときになったら、なかったことになる幻の婚約。

どちらも、結婚には繋がらない求婚なの。

「実力でモテているわけじゃないくせに。」
と女子学生。

ボク、一般的にモテた経験はないの。

ボクは、ボクを大切にしてくれて、ボクが大切にしたい男性がいるもの。

ボクは、ガラン家当主の息子なの。

結婚することはなくても、相思相愛の仲のボクと歩む人生。

1人も、後悔なんてさせないの。

「ボク、愛し愛されることに不自由していないの。」

第2王子派閥と第3王子派閥に所属していない女子学生は、鼻で笑ったの。

「権力とお金にあかせて、言いなりにさせているだけのくせに？

今いるイケメンをかき集めて侍らせるだけじゃ飽き足らず、前途有望な男子学生まで毒牙にかけにきたって知っている。

男子学生に相手にされなくて残念？

あなたみたいな、地味な平凡がどこでもちやほやされると思ったら、大間違い。

男子学生に相手にされないから、私みたいにか弱い女子学生の弱みを握って言いなりにしようとしても、思い通りにはさせない！

この部屋にいる全員が証人だから、言い逃れなんかできない。

私も他の皆も、あなたみたいな、姑息でイヤラシくて取り柄のない男なんか相手にしないんだから！

分かった？」

ボク、第2王子派閥と第3王子派閥に所属していない女子学生の主張が、荒唐無稽としか思えないの。

いくつかの聞き覚えがある単語が気になるの。

『地味で、平凡で、ちやほやされて』いるボクを不愉快に思って、人前で悪しざまに言ってくる女性には、最近会ったの。

ローバウル公爵家の嫡女が、ボクのことをそんな風に表現していなかったかしら。

異世界転生した、元ビーイット公爵家次男も、ボクを地味、平凡と評していたの。

確定ではないけれど、共通点があるの。