フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1130.ボク、罪を自覚せずに罪を犯した者を発見したの。罪人の多さにびっくりしているの。

出入り口に向かっていき、扉が開かないと騒いだ後にサブリーを味方にひきこもうとした女子学生を諌める学生が出てくるかと思ったのだけど、一人も出てこないの。

女子学生は、サブリーの横から移動して、アランとバージニの元へ。

「助けてください。私、殺されてしまいます。」
と女子学生。

この女子学生は、ボクの話しを聞いているのに、ボクの言う通りにしないの。

「アランとバージニ、リッチェルは、女性担当者の監視と部屋の警備のお仕事をしているの。

ボク達近衛別働隊がお仕事をしているときに、近衛別働隊のお仕事の妨害をしてはいけないの。

ボクの取り調べ中に、殺されると危機感を覚えたというなら、殺されるようなことをしでかした自覚がキミにはある、ということなの。

キミ、名前と所属は？」

ボクが女子学生に問いかけると、女子学生は慌てたの。

「私は、名乗るほどの者じゃありません。」
と女子学生。

「キミが、どんな人物かの判定をするのは、キミじゃないの。

ボク、キミには、取り調べ中の口ごたえを許していないの。」

男性担当者は、取り調べ中に騒ぐのもひっくるめて、取り調べだから、男性担当者が取り調べ中に反抗的態度をとることを許可したの。

男性担当者の取り調べに立ち会うことで、学生は学習の機会を得られるの。

女子学生が反抗的態度をとることで、学生に学習の機会が増えるかしら？

「ボクが聞くことに、キミは即答えること。

キミは、どこの誰かしら？

キミは、取り調べられているの。

キミの名前と所属と目的を話すの。」

「私は、どこにでもいる普通の貴族令嬢です。
取り調べには保護者が必要なはずです。
私の保護者になってください。」

女子学生は、アランとバージニの前に回り込み、女性担当者の横で、アランとバージニにお願いし始めたの。

「取り調べを妨害している現行犯が何を言っているのかしら。

第2王子派閥と第3王子派閥の担当者は、どちらも成人男女なの。

キミが、どちらの派閥の貴族令嬢でも、取り調べに必要な保護者の要件は満たしているの。

キミ、名前と所属、目的を包み隠さず答えるの。」

女子学生は、ボクには答えないで、アランとバージニを見上げたまま、胸の前で、お祈りするかのように手を組んでいるの。

「キミは、第2王子派閥と第3王子派閥のどちらにも属していないのかしら。

この部屋には、第2王子派閥と第3王子派閥の学生だけを集めていたのではなかったのかしら。

第2王子派閥と第3王子派閥の学生が、ボク達近衛別働隊と顔合わせをするために、この部屋に待機している、と、案内されたの、ボク達。

この部屋にいる男女の担当者と学生を含めて、第2王子派閥と第3王子派閥以外の人間がいるなら、ボク達近衛別働隊に提示した条件が守られていないということなの。

この部屋にいる学生と男女の担当者は、全員、ボク達を謀ったことになるの。

ボク達近衛別働隊の安全を保証しない環境に、ボク達近衛別働隊を騙して連れてきた挙げ句、ボク達が業務にあたるのを妨害したことは、重罪なの。」