フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1125.ボクは、ボクとサブリーとユージュアルを軽んじる動きをそのままにしておく気はないの。

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ボクは、ユージュアルがこれからすることに邪魔が入らないような手配をするの。

「取り調べの対象者以外に告ぐ。
今、このときより、全員、近衛別働隊総司令フィリス・ガランの意に反する動きをすることを禁止するの。

サブリー・ベイモン。
ボクの禁止命令に従わない動きを見せる者は、全て、拘束すること。

サブリー・ベイモンが、疑わしいと判断した時点で、拘束する許可を出すの。

拘束手段は、問わないの。」

「了解。総司令。」
とサブリー。

男性担当者は、涼しい顔のまま。

取り乱す学生は、一人もいない。

女性担当者だけは、リッチェルの顔をうかがっているの。

リッチェルは、女性担当者に顔色をうかがわれても、女性担当者を安心させるような言動をしなかったの。

女性担当者は、リッチェルの顔色をうかがっても、何も変わりはしない、と察して、様子見に転じたの。

女性担当者の言動の土台は、リッチェルへの個人的な感情なの。

恋慕以外にも、義憤があるのかしら?

男性担当者の取り調べしたら、いくらか分かることもあると思うの。

現時点でのボクは、何のヒントもつかめていないの。

取り調べをして、情報を吐き出させるの。

「素直に話す気は?」
とユージュアルは、男性担当者に質問したの。

男性担当者は、ボクだけじゃなくユージュアルのことも無視したの。

「ユージュアル・ノア。
ボク、男性担当者に素直さは期待していないの。

取り調べ中は、男性担当者が反抗的な態度をとろうと不問にするの。
男性担当者に情報を吐かせるの。」

「了解、総司令。」
とユージュアル。

ユージュアルは、男性担当者の横を通り過ぎて、斜め後ろに立ったの。

「反抗したかったらしてもいい。
素直になりたいなら、いつでも素直になっていい。
人生に選択肢があって良かったなあ?」
ユージュアルは、男性担当者に親切に教えたの。

ユージュアルの人生の選択肢は、少なかったの。

妹と一緒にセットで婚約者に選出されたことで、結婚の選択肢は、妹が結婚した後、支障のない相手のみに絞られたの。

ノア男爵家で生きる将来を見据えた学校選びをしたのに、ガランの右と左として、コーハ王国の近衛になることが決まったユージュアル。

ユージュアルが結婚に不自由すると確定してから、自分自身と家の将来のためにと、思い描いていた未来は、何一つ実現しなかったの。

選択肢はあっても、選択の自由はなかったユージュアル。

限られた選択肢から選択しても、選んだものとは違う未来に進むことを求められたユージュアル。

同じことはサブリーにも言えるの。

ボクがサブリーとユージュアルを側に置くことは、2人の人生をボクが預かることと同義。

サブリーとユージュアルは、ボクと一緒に、3人で近衛別働隊の中で生きると決めたの。

サブリーとユージュアルには、閉ざされた未来よりも、楽しさと幸せを実感して生きてもらうの。

ボクとサブリーとユージュアルを軽んじる動きは、封じるの、今ここで。
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