フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1116.リッチェルは、派閥の方針と女性担当者、学生達の動きの齟齬を問題視している。

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リッチェルからサブリーの手を握った。

リッチェルは、貴族学校の学生の前で、示したのだ。

リッチェルは、学生側にはつかない。

リッチェルは、学生側の動きを好意的に見ていない。

リッチェルの意図を正しく解釈した、リッチェルと同じ派閥の学生は、大人しくなった。

リッチェルが味方しないと旗幟を鮮明にした以上、勢いで押し切るのは、不利。

一旦退いて、立て直す。

リッチェルは、学生が退く姿勢を見せたので、追撃はしないことにした。

「サブリー、戻っておいで。」
とリッチェル。

サブリーは、リッチェルが言うなら、と戻る意思を見せる。

リッチェルは、サブリーの手をひき、リッチェルの半歩前から、真横に並ばせる。

学生は退いた。

次は女性担当者。

女性担当者も、リッチェルの意図に気づいている。

女性担当者からは、動かないだろう。

女性担当者に体勢の立て直しをはからせる?

リッチェルは、女性担当者に応える気がない。

トラブルの芽は、早めに摘むに限る。

「聴取では、フィリスが詳しく話を聞くよ。聴取において、誰に対しても、虚偽の申告は認めない。」
とリッチェル。

リッチェルは、女性担当者に便宜をはかることはない、と明言した。

多くの目撃者の前で。

この騒動を画策した者達にも、すぐに話が伝わるだろう。

誰に、どういう風に伝わるか。

女性担当者の発言と学生達の言動。

女性担当者に真実を歪めて伝えた人物がいる。

リッチェルと繋がりがある家のご令嬢と接触できる人物。

第2王子派と第3王子派が、サブリーとユージュアルに急接近することを決めたのは、今後注目を集めるだろう近衛別働隊の総司令の補佐であるサブリーとユージュアルを懐柔して、近衛別働隊との関わりを誇示し、両派閥の存在感を示す、という目的がある。

リッチェルは、最初に、派閥から、そう聞かされた。

派閥の目指す方向性が変わったという連絡は、まだ、リッチェルの元には届いていない。

そんな連絡がリッチェルに来た日には、リッチェルは、今すぐ撤回するように、派閥に戻って、主要人物に話をしにいっている。

『噂に踊らされることなく、現実をよく見るように』と言い添えて。

女性担当者の言動。
室内にいる学生が、女性担当者に違和感を抱いている様子がないこと。

どちらも、派閥の方針転換を聞いていないリッチェルには、不可解でしかない。

「リッチェル様は、それでよいのですか?
それをお望みなのですか?本心から?」

女性担当者の目は、リッチェルの内側を覗きこみたい、と言わんばかりに、リッチェルだけを見ていた。
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