フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1110.貴族学校で、各派閥を代表する学生に会ったの。ジーンの妹フローレン、フローレンの元婚約者サージェ侯爵家の子息、ターシエント侯爵の孫。

ボクは、ボクとサブリーとユージュアルを追いかけ回さない学生に会いたいの。

ボク達と最年少の少年は、貴族学校の担当者の案内で、学生が待機しているお部屋に来たの。

「皆さん、近衛別働隊総司令と側近の方2名、幹部の方が2名と副官が1名ずつ、入室されます。」

部屋にいる学生全員の起立を待って。

部屋に入ってみると、部屋の中央には大きな円卓があったの。

「こちらの円卓は、直径の長さが、両端から剣を抜いて突きつけた長さより長く設計しました。」
と担当者の女性が説明してくれたの。

学校内での、刃傷沙汰か、決闘沙汰防止かしら。

女子学生の中に、ジーンの妹のフローレン嬢を見つけたの。

フローレン嬢は、元気そうなの。
嬉しいの。

フローレン嬢の反対側に、フローレン嬢の元婚約者がいるの。

ロウウェルの話にあった異世界転生者は、フローレン嬢の元婚約者のお家、サージェ侯爵家が、婚約者をあてがって、静かにさせていると聞いているの。

フローレン嬢の元婚約者経由で話をして、トントン拍子に進めば、一番楽なの。

でも、婚約破棄騒動の現場の記憶にたどると、サージェ侯爵家の他の人に話をする方がいい、という結論になってしまうの。

貴族学校に来たのに、残念なの、ボク。

顔つなぎの意味がないの。

サージェ侯爵家については、話が通じる他の人を探すの。

最年少の少年が、しれっと学生側にいるの。

各派閥の高位貴族を集めたのかしら。

担当者が円卓に座っている学生を紹介していく。

ターシエント侯爵の孫がいたの。

興味があるのか、ないのか、ターシエント侯爵の孫は、反応が薄くて、読み取れなかったの。

無反応じゃなく、興味があることを、他の人に知られまいとするうちに、反応が表に出なくなったような。

弱みを悟らせたくない、というより。

好きなものは、誰にもとられたくないから、隠したい、気づかせない、という警戒心かしら。

貴族学校内で学生とのトラブルが発生した場合は、各派閥のトップを使って解決することを、担当者に勧められたの。

「時と場合と、人によるの。考慮には入れても構わないの。考慮以上は、欲張らないこと。」

トップが、信用ならない場合があるもの。

ターシエント侯爵の孫の顔を確認できたのは、今日の成果なの。