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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1088.偉い人は、断わられることを想定していないの。話を持ちかけてきた時点で、スタートラインに引っ張り出されているの。

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ボクが、貴族学校へ臨時講師をしにいくの?

「弟にどんな利がありますか?」
とハーマルお兄様。

「貴族学校に出入りできる。」
とターシエント侯爵。

「何のためにですか?」
とハーマルお兄様。

「4男は、近衛養成コースで青田買いに励んだらいい。
派閥を持っておらんガランは、トップセールスが良かろう。」
とターシエント侯爵。

「ターシエント侯爵のお孫さんは、近衛養成コースですか?」
とハーマルお兄様。

「違うとも。後継ぎだからな。」
とターシエント侯爵。

「お孫さんを監督するというより、貴族学校内に、第三者の目を入れたいんですか?」
とハーマルお兄様。

「孫の様子を見るのに、孫だけを見ていても仕方あるまい。広く視野を持たねばならん。」
とターシエント侯爵。

「お孫さんは、どんなトラブルを抱えているんですか?弟を巻き込む気、満々ですよね?」
とハーマルお兄様。

「貴族学校が、ガタついているとは聞いていたが、ガタつかない集団などありはせん。気にするほどでもあるまい、と思ったのだが、孫に関しては、そうも言っておられん。」
とターシエント侯爵。

「命を狙われましたか?」
とハーマルお兄様。

「聞いてくるのが、ガランだ。」
とターシエント侯爵。

「ガランの息子に頼ろうとするくらい、良くない状況なのは、学校ですか?それとも、お孫さんですか?」
とハーマルお兄様。

「孫だ。
ガランの3男は、貴族学校に籍を残して、卒業まで留学を繰り返したであろう?
孫は後継ぎだけに、その方法はとれん。
我が子の代での社交が中断したから、孫の代での社交は無くせん。」
とターシエント侯爵。

「ターシエント侯爵家に、ガランの色がつきますが?お孫さんは、同意しましたか?」
とハーマルお兄様。

「孫は、学校という社会で、派閥の意義を実感した。
ターシエントは、独立系でな。どの公爵家の派閥にも入っておらん。
ガランの色なぞ、独立系の我が家には、あってないようなもの。」
とターシエント侯爵。

独立系は、派閥に属していない貴族家。

ターシエント侯爵家は、公爵家の下につかなくてもやっていける地盤があって、自主独立精神の強いお家ということかしら?

「祖父と孫の意見が同じとは限りませんよ。
ターシエント侯爵を継ぐのに、問題があるというなら、お孫さんの指導が先ですよね?」
とハーマルお兄様。

派閥関係で、しくじったのなら、派閥は、頭に入れて間違いを繰り返さないのが大切なの。

「今の孫は、力不足だが、貴族学校の風通しも気に食わん。
ガランが行くと、ちょうどよい。」
とターシエント侯爵。

ちょうどよい理由が、さっぱりなの。

「ターシエント侯爵は、根回しと手配が済んでから、知らせにきたんですか?」
とハーマルお兄様。

「無論。実行に移る前に、打ち合わせはしておかねば。」
とターシエント侯爵。

ボク、近衛別働隊の偉い人だから、頭越しに決まることはないの。

ターシエント侯爵は、主要な貴族の家と貴族学校の関係者をおさえてから、話をしにきた、ということなの。

ボクは、断われるの。
でも、断ると、ボクが苦境に陥るパターンなの。

貴族学校の臨時講師が決定なら、条件の話し合いをして、ボクが困らないようしないとなの。
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