フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1077.マーゴットは、フィリスとは、別のルートで、マーゴット独自の調査をしていた。おかしいのは、ローバウル公爵家と、その嫡女と、他には?

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「公爵家の後継ぎの女の人は、フィリスに逆ハーレムを解散させたいんだよね?倫理的な正義感から?」
とタマキ。

「ローバウル公爵家の嫡女は、フィリスお兄様に取って代わりたい。
フィリスお兄様の逆ハーレムを自身のものにしたい。

イイ男をフィリスお兄様が独り占めしているせいで、イイ男が集まらないと憤慨している。」
とマーゴット。

「フィリスがいたから出来た逆ハーレムだよな。フィリスがいなくなったら、解散するんじゃ?」
とタマキ。

「そう指摘されると、
フィリスお兄様が、贔屓されているから、フィリスお兄様のご機嫌うかがいをするために、逆ハーレムになっているだけ、と反論。

本当は、贔屓されているフィリスお兄様の逆ハーレムなんて入りたくないのに、イヤイヤやらされていて気の毒だから、全員、救い出して、丸ごと引き受けることにしたそう。」
とマーゴット。

「ローバウル公爵家の嫡女は、男にチヤホヤされたいから、チヤホヤされている人を押し退けて、自分が、そのポジションにおさまるって発想になるんだ?

これが、貴族らしい傲慢さ?」
とタマキ。

「貴族の考え方とは、根本的に、違う。

ローバウル公爵家の嫡女の発言をまとめると。

『逆ハーレムは、私が先なのに。ズルい。横取りされた。平凡モブ男が、イイ男を全員、取り込むとか、欲張りすぎ。男子校じゃあるまいし、姫って、何!姫は、私。あんたのいるところは、私の場所。いつまでも、平凡モブが、イキっていい場所じゃない。惨めに退散させてやる。』

フィリスお兄様を引きずり落としたい、というのが、ローバウル公爵家の嫡女の考え方。

ローバウル公爵家の嫡女の考え方は、貴族の傲慢さ、ではなく、ヒガミ。

平民の中にも、同じ発想をする者がいる。」
とマーゴット。

「ヒガミ。ローバウル公爵家の嫡女は、モテないから、ひがんでいる?」
とタマキ。

「モテなくても、ローバウル公爵家の嫡女の結婚相手は、国が手配するから、問題ない。

国の手配する男は、ろくでなし、しかいないから嫌だ、と頭から拒否して、婚約者を決めず、逆ハーレムを望むのは、貴族の嫡女としては、不自然で、不可解。

モテない原因を他人に求めて、赤の他人のフィリスお兄様を敵視するのは、ローバウル公爵家の嫡女の、攻撃的な性格。」
とマーゴット。

「ローバウル公爵家の嫡女が、不自然で不可解だから、異世界転生者かも?とマーゴットさんは予想している?」
とタマキ。

「わたしの集めた情報から、ローバウル公爵家の嫡女の性質が良くない以上の問題がある、と分かった。

問題があるのは、ローバウル公爵家の嫡女の言動を左右する価値観が、この世界のものとズレているにも関わらず、本人も周りもズレた価値観を押し通している点。

国と世界を混乱させるような価値観を野放図にするのは、公爵家のやることではない。

教育に失敗し、矯正されないままの子息やご令嬢を社交の場に出したら、家の存続に直結する。

ローバウル公爵家は、国から、人が派遣されているのに、矯正されていない嫡女を社交に出している。

国もおかしい。」
とマーゴット。

「国も?」
とタマキ。

「国の全部じゃなく、一部がおかしい。その一部が、内側から腐っているのか、外から腐らされたのか、これから究明していく。」
とマーゴット。
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