フィリス・ガランの近衛生活

かざみはら まなか

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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1071.海の藻屑になることは、のんびりスローライフに当てはまる?

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「タマキ。その台詞は、フィリスお兄様に。タマキの教育は、フィリスお兄様の領分。わたしは、タマキの性根を叩いて伸ばす。残りの三人も。」
とマーゴット。

「オレだけじゃない。」
とほっとするタマキ。

「三人は、優秀だと評価が高かったわね?
タマキを指導してみたら、信じられないものがいることを実感することになるわ。」
とマーゴット。

「オレは、三人よりも、ずっと優秀ってこと?」
とタマキ。

「タマキを指導するのは、ひとかたならぬ苦労があると承知してかかるように。」
とマーゴット。

「オレ、始める前から、評価されているのかー。」
とニヨニヨするタマキ。

マーゴットは、タマキには無反応。

「逆だ。」
と見かねたダンシェルが訂正する。

「逆?」
と首を傾げるタマキ。

「意訳すると、優秀だから、ド底辺と関わりがなかったわね、ド底辺を指導するのは、並大抵の苦労じゃない、覚悟してかかれ、だよ。」
とレイモンド。

「フィリスの妹なのに、そんな、むごいことを言う?」
とタマキ。

「フィリスは、姫だからな。姫は、厳しいことは言わないぞ?そういうお膳立ては、姫の周りがやるもんなんだよ。」
とロウウェル。

「初っ端から、指導者と生徒の差が顕著過ぎて、教育が可能か、心配になるレベル。」
とマーゴット。

「じゃあ、優しめで。」
とタマキ。

「教育にかける時間が無駄だと判断したら、打ち切るわ。」
とマーゴット。

「え?のんびりスローライフできる?」
とタマキ。

「海の藻屑となることをスローライフと呼ぶ?」
とマーゴット。

「海の藻屑?オレを海に捨てる?」
と仰天するタマキ。

「死して魚のエサ。死んでいても、スローライフは、当てはまるのか?」
とダンシェル。

「死んだら終わり。なんで死ぬことになるんだよ?」
とタマキ。

「タマキに生かしておく価値がないなら、タマキを生かしておくための費用や、タマキについて考える時間が無駄だろう?
タマキを処分するにあたって、魚のエサにしたら、最後まで有効活用できる、とか、そういう発想だな。」
とロウウェルが解説。

「物騒!さくっと人を始末しようとして。」
と騒ぐタマキ。

「貴族の後ろ盾を持つときの心構えは、貴族の利にならないことをせず、貴族の利になることをすること。」
とダンシェル。

「うええ。オレの人権は?」
とタマキ。

「タマキは、異世界人だから、最初からない。」
とレイモンド。

「そうだった。ないんだった。」
とがっくりするタマキ。

「死にものぐるいで習得するしかないな?」
とロウウェル。

「訓練なのに、命がけ。」
とぼやくタマキ。
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