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第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が!

1070.階級社会で忖度しなくていい存在は、何か知っている?『え?誰だろう?』

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フィリスが、兄二人と話し始める。

デヒルが、マーゴットに視線を送る。
マーゴットは、デヒルに了承の視線を返した。

マーゴットが、何を話そうと、フィリスの耳には入らない状態になった。

マーゴットは、怯えているタマキに言った。
「階級社会で、忖度しなくていいのは、死者しかいないわ。」

「忖度したいです。元気に長生きしたいです。」
と慌てるタマキ。

マーゴットに異議を唱えたら、マーゴットは、さくっとタマキを消してしまいそうだ。

タマキは、生きるために、尻尾を振る。

「タマキは、今日帰る前に、フィリスお兄様にお仕えする心構えを身につけること。」
とマーゴット。

「心構えって、フィリスに?大げさに言っている?」
とタマキ。

「タマキ、頭に叩きこみなさい。
フィリスお兄様に意見は出しても、逆らわないこと。
意見を出すときは、フィリスお兄様だけに出すこと。人前で、フィリスお兄様に反対などしたら、首と胴を切り離す。」
とマーゴット。

タマキは、マーゴットが大げさに話していないと気づいて、ぶるっとした。

「フィリスが間違っているときは、どうするんですか?」
タマキは、恐怖から丁寧に喋っている。

「人目につかないように、隠れて進言しなさい。

フィリスお兄様を否定したり、下げた物言いを、フィリスお兄様のものであるタマキがすれば、フィリスお兄様の権威が失われます。

人前では、フィリスお兄様をたてなさい。」
とマーゴット。

「身内を謙遜しない文化?」
とタマキ。

「タマキは、身内に入らない。タマキは、フィリスお兄様に従属するもの。
今後は、間違えないように。下のものに侮られることは、階級社会では致命的。」
とマーゴット。

「身内じゃない?そっか。オレは、拾得物扱いになるんだった。オレに、身の程をわきまえろ、という話なんだ?」
とタマキ。

マーゴットのストレートな表現に傷つきながらも、フィリスの最初の説明を思い出したタマキは、納得している。

「フィリスお兄様の私邸で、フィリスお兄様にお仕えする者は、フィリスお兄様の快適さを第一に追求している。

フィリスお兄様の私邸にいる使用人は、貴族のフィリスお兄様につきしたがって、貴族社会に出入りはしない。

フィリスお兄様の私邸は、フィリスお兄様の隠れ家の役割を果たしているから、私邸の人員は、それで問題ない。

フィリスお兄様が貴族として、表舞台に出るときは、ガラン家から人を出す。

タマキを人前に出すなら、貴族の主君がいると分かるような教育が必要だけど、タマキはまだ受けていない?」
とマーゴット。

「フィリスの私邸の外に、フィリスのものとして出かけるなら、貴族に仕える心構えがいるんだ。
フィリスの持ち物のオレに貴族の社会の心構えがないと、フィリスとオレが困るのか。

貴族社会の色々は、オレの知らない分野だから、教えてください。」
とタマキ。

タマキは、きりっと表情を引き締める。

きっと、今から、大量のダメ出しが、と思うと、心がぶるぶるする。

でも、知らないで、問題を起こす前に、知ることで、問題を回避したい。

タマキは、教えを請うた。
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