フィリス・ガランの近衛生活

第6章 コーハ王家の第4王子と高位貴族子弟の近衛は、同じ近衛である地味平凡の子爵子息の魅了で逆ハーレムを作っている、との情報が！

1067.顔合わせは、無事に終了できる？

「フィリスぅ？」
とタマキは、心配そうにボクを見ているの。

タマキ、訓練が怖いのかしら。

「ボク、タマキに長生きして欲しいけれど、タマキが訓練するより、楽になりたいのなら、我慢するの。」

タマキは、コワニを持ったまま、首を高速で横に振ったの。

「フィリス、そこは、『我慢するの』じゃない。『タマキ死なないで。ボクも頑張る。』というところ。」
とタマキ。

タマキ、ボク、嬉しいの。

「ボク、決めたの。タマキは、ボクと頑張るの。」

「うん、フィリスが、オレのことを諦めないでくれて、オレも一安心。」
とタマキ。

ほっとしたタマキは、マーゴットに頭を下げたの。

「マーゴット先生、よろしくお願いします。」
とタマキ。

「マーゴット先生？」
とレイモンド。

「オレは、マーゴットさんに指導してもらうんだろ？」
とタマキ。

「わたしが、直接指導するわけではないわ。
わたしは方針を示す。
フィリスお兄様の直属の部下の三人が、タマキに何を実践させるかを考えなさい。

三人には、下を指導する経験を積む必要がある。
現在の近衛別働隊の人員構成では、三人が、その経験を積む機会がない。

タマキで練習しなさい。
三人とタマキなら、失敗しても、フィリスお兄様が修正可能。」
とマーゴット。

「「「分かりました。」」」
とダンシェル、ロウウェル、レイモンド。

「決定した？
ダンシェル、ロウウェル、レイモンドが、オレの直接の指導をして、責任は、フィリスが持つんだよな？
オレも、それで大丈夫。」
とタマキ。

「ダンシェル、ロウウェル、レイモンド。
三人に、命令するの。

ボクのタマキが、悪い人に捕まったり、利用されたりしないように、危険を察知して、逃げたり、隠れたり、敵をまいたりできるように、訓練をつけるの。

タマキ。
訓練を受けて、分からないときや、判断に困るときは、三人に聞いたり、ボクのお家に住んでいるタマキの先輩にたくさん聞いて、疑問を残さないこと。
疑問があると、行動に迷いが出るの。
行動に迷いが出ると、つけ込まれるの。

ダンシェル、ロウウェル、レイモンドは、タマキの訓練についての相談で、ボクがいないときは、マーゴットにすること。」

「「「了解。」」」
とダンシェル、ロウウェル、レイモンド。

「分かった。」
とタマキ。

ボク、ほっとしたの。

ボクのタマキをボクが持つこと。

ボクの直属の部下の三人、ダンシェル、ロウウェル、レイモンドをボクが特別扱いすること。

二つ共、お家に認められたの。

「デヒルお兄様、ボク、嬉しゅうございます。」
ボクは、まず、デヒルお兄様に、喜びをお伝えしたの。

「フィリスの喜ぶ様は、可愛い。」
とデヒルお兄様。

デヒルお兄様、ボク、デヒルお兄様に、そのように思っていただけて、幸せ者ですの。

次に、ハーマルお兄様へ。

「ハーマルお兄様、お仕事の合間に、駆けつけてくださって、感謝します。」

「フィリスが、元気に暮らすのが一番大事だから。」
とハーマルお兄様。

「ハーマルお兄様は、いつも、ボクを助けてくださります。
ボクは、いつでも、ハーマルお兄様を助けにいきますの。」

ボク、気合いは、十分ですの。

「困ったら、フィリスを呼ぶよ。」
とハーマルお兄様。

最後に、ボクの大好きな可愛い妹、マーゴット。
「マーゴット。ボクのために、立ち回りをありがとうなの。マーゴットは、ボクの大切な妹。困る前にボクに頼るの。ボクは、いつでも、パスを受け取る構えは出来ているの。」

「フィリスお兄様のお気持ちは、温かくて、フィリスお兄様と過ごす時間は、心地よく、わたしは大切にしています。フィリスお兄様がお休みのときは、また楽しく過ごしましょう。」
とマーゴット。